アルファ化米は、一度炊いた米を熱風で急速乾燥して「αでんぷん」を保ち、消化されやすく変質しにくいお米です。炊く手間が不要で水やお湯で簡単に食べられるため、保存食や学校給食にも利用されています。栄養面では銅を含み、鉄の利用を助けて貧血予防に役立ちます。また、銅は骨や血管壁を作るコラーゲンの生成や毛髪のメラニン色素の生成にも関与します。さらに成長期の子供に必要なマンガンも含まれ、骨や関節を強化する働きを持ち、発育を支える重要な食品です。



アルファ化米とは?

アルファ化米は、一度炊いたり蒸したりした米を、熱風で急速乾燥させたお米です。

米のでんぷんには、炊飯後の「αでんぷん」と、生米に含まれる「βでんぷん」があります。「αでんぷん」は体内で消化されやすい反面、変質しやすく、「βでんぷん」は消化されにくいものの変質しにくい特徴があります。炊いたご飯をそのままにすると「αでんぷん」が「βでんぷん」に戻ろうとするため、炊き立てはみずみずしくても、冷えるとポロポロになるのはこのためです。ところが、熱風で急速乾燥することで「αでんぷん」の状態を保ち、消化されやすく、変質しにくい性質を持つのがアルファ化米です。炊く手間が省け手軽に食べられるほか、学校給食用やビタミンB1を添加した商品もあります。

 

調理との組み合わせ方

アルファ化米は洗米や浸水の必要がなく、水を加えるだけで食べられます。炊飯の手間や時間を省けることが最大の利点です。長期保存が可能なため、非常食や保存食としても利用されています。お湯や水を加えるだけで調理でき、加える量によって柔らかいご飯からおかゆまで調整できます。

 

保存方法

長期保存が可能であるため、災害時の備蓄用として活用されることが増えています。

アルファ化米の効果

貧血予防

アルファ化米に含まれる銅は、赤血球中のヘモグロビン合成において鉄を利用できるようにする役割があります。

 

骨や毛髪をつくるのを助ける

また銅は、骨や血管壁を作るコラーゲンの生成に働く酵素、毛髪などのメラニン色素を作るのに働く酵素としても役立ちます。

 

子供の成長にも

成長期の子供が骨を形成する際には、アルファ化米にも含まれるマンガンを補酵素とする酵素が必要とされます。これにより、骨や関節を強化する結合組織を形成することができます。成長期においてマンガンが不足すると、子供の発育不全のリスクがあります。

こんな方におすすめ

貧血が気になる人

骨粗しょう症が気になる人

成長期の子ども

おさらい

アルファ化米は、一度炊いた米を熱風で急速乾燥して「αでんぷん」を保ち、消化されやすく変質しにくいお米

栄養面では銅を含み、鉄の利用を助けて貧血予防に役立つ

成長期の子供に必要なマンガンも含まれ、骨や関節を強化する働きを持つ


参考文献

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)

・春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)


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