りんごは、水溶性食物繊維のペクチンが豊富であり、リンゴ酸やクエン酸、ポリフェノールなどの成分が詰まっています。ポリフェノールは果肉と皮の両方に含まれています。これらの成分は生活習慣病の予防だけでなく、疲労の緩和や肌のトラブルの改善にも効果的です。
りんごとは?
りんごは、みかんに次いで生産量が多く、代表的な品種としてふじ、王林、陸奥、千秋、紅玉、スターキングデリシャス、世界一、ジョナゴールドなどがあります。栄養価的には、水溶性食物繊維のペクチンやカリウム、果糖やブドウ糖などの糖質が豊富に含まれています。
りんごのすりおろしは、下痢のときに良いとされています。りんごに含まれるペクチンは、腸内の善玉菌であるビフィズス菌などのえさとなり、善玉菌の増殖を促し、同時に悪玉菌を撃退する効果があります。また、ペクチンは腸内をきれいに掃除し、有害物質を排出する働きもあり、下痢や便秘の改善に役立ちます。さらに、ペクチンはLDL(悪玉)コレステロールを減少させ、HDL(善玉)コレステロールを増やすことで生活習慣病の予防にも寄与します。
また、りんごのポリフェノールには強い抗酸化作用があり、アトピー性皮膚炎のかゆみを抑える効果もあります。これにより、肌のトラブルの改善にも役立つのです。
■調理との組み合わせ
皮の赤い色素はアントシアニンというポリフェノールの一種であり、抗酸化作用を持っています。皮も一緒に食べることで、活性酸素の働きを抑え、老化の抑制やがんの予防に効果があります。加熱すると独特の旨味が加わり、さらに調理次第で皮に含まれるペクチンやポリフェノールを摂取することができるメリットもあります。
皮を利用するための工夫もあります。例えば、りんごの芯をくり抜いてオーブンで焼くと焼きりんごになります。また、皮をミキサーで砕いて果肉と一緒にりんごジャムに加えるなどの方法もあります。これらの工夫によって、皮を捨てずに摂取することができます。
■りんごの選び方
色が鮮やかで果軸が太く、重みがあるもの。皮にハリとツヤがあり、実がよくしまっているもの。赤味が尻の部分まで回ってるのは完熟のサインです。
■りんごの保存方法
ポリ袋に入れ冷蔵庫の野菜室で保存してください。さらに新聞紙に包むと、余分な水分が吸収されて長持ちします。
りんごの効果
■疲労回復に
酸味を構成しているクエン酸、リンゴ酸、酒石酸などの有機酸は、いずれも活性酸素の除去に役立ちます。また疲労物質の蓄積を防ぎ、疲労回復効果を高めてくれます。
■血糖値や血中コレステロールの上昇を防ぐ
水溶性食物繊維のペクチンも豊富で、血糖値や血中コレステロールの上昇を防ぎます。
■腸内環境を整える
ペクチンは、腸内のビフィズス菌などの善玉菌のえさになって善玉菌を増やし、腸をきれいに掃除して有害物質を排出する働きがあります。
こんな方におすすめ
●疲労を回復したい人
●コレステロール値や血糖値が気になる人
●腸内環境を整えたい人
おさらい
●りんごには、水溶性食物繊維のペクチンとカリウム、果糖やブドウ糖などの糖質が豊富
●酸味を構成しているクエン酸、リンゴ酸、酒石酸は、疲労回復効果を高める
●水溶性食物繊維のペクチンは、血糖値や血中コレステロールの上昇を防ぎ、腸内環境も整える
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
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