ピーマンは辛みの少ない唐辛子の一種です。一般的にピーマンと呼ばれるのは未熟な状態の青ピーマンであり、緑色の実が収穫されます。完熟させると赤ピーマンとなります。
ピーマンは抗酸化作用の強いβ-カロテン、ビタミンC、Eを豊富に含んでいます。これらの栄養素は夏場の体力回復に役立つだけでなく、肌トラブルの改善にも効果的です。特にビタミンCはコラーゲンの生成を促進する作用を持ち、肌トラブルにも有効に働きます。
ピーマンとは?
カロテンは100gあたり400μgと量は多くありませんが、ピーマンには豊富なビタミンCが含まれています。100gあたりのビタミンCの含有量は76mgもあります。中サイズのピーマンを4個程度食べると、1日の推奨量である100mgをほぼ満たすことができます。また、ピーマンにはビタミンEも含まれており、栄養価が高い野菜の一つです。
ピーマンには、ビタミンAやEなどの脂溶性ビタミンが含まれているため、油との相性も良いです。ピーマンは中華風の炒め物だけでなく、さまざまなレシピで使われます。肉詰め焼きなどの料理でも独特のほろ苦さを楽しむことができます。ビタミンEは細胞の老化防止にも役立ちますが、油を使った料理と組み合わせて摂取することで効率的に吸収されます。
ピーマンは低カロリーでヘルシーな食材です。じゃこや油揚げと組み合わせたり、サラダにして生で食べることもおすすめです。また、熱湯にくぐらせると色鮮やかに仕上がります。
■選び方
肉厚で緑が濃い、ハリとツヤがあるものを選びましょう。
■保存方法
穴のあいたポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に入れましょう。
ピーマンの効果
■美肌をつくる
ピーマンには安定したビタミンCが含まれており、酸化しにくい特徴があります。これはビタミンP(フラボノイド)と呼ばれる成分がビタミンCを酸化から守るためです。ピーマンを加熱してもビタミンCやカロテンの損失が少ないため、炒めたり揚げたりしても、しっかりとビタミンCやカロテンを摂取することができます。
ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、肌にハリを与えるとされています。また、メラニンの代謝を促進することでシミの予防にも効果的と言われています。ピーマンには豊富な食物繊維も含まれており、便秘の改善につながり、肌荒れや吹き出物を予防する助けとなります。
■血液をサラサラに
ピーマンの青くさい匂いは、ピラジンという成分によるものです。ピラジンには血液をサラサラにする効果があり、高血圧の改善にも期待されています。また、ピーマンに含まれるビタミンPは毛細血管を丈夫にする働きがあります。
■コレステロールの吸収を防ぐ
緑色の濃いピーマンに含まれる豊富な葉緑素には、余分なコレステロールの吸収を防ぎ、体外へ排出する作用があります。同様の働きをビタミンCも持っており、食物繊維もコレステロールの排出を助けます。
こんな方におすすめ
●肌の調子が気になる人
●高血圧が気になる人
●コレステロール値が気になる人
おさらい
●ピーマンに含まれるビタミンCは、コラーゲンの生成を助けてハリのある肌にする
●ピーマンの青くさいにおいは、ピラジンという成分で高血圧の改善が期待できる
●緑が濃いピーマンにある葉緑素は、余計なコレステロールの吸収を防いで、体外に排出する
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
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