丹波産の黒大豆は、兵庫県篠山地方で発祥し、丹波一円に広がりました。最高級の大豆として古くから重宝されています。気候条件や熟成によって育まれた上質な豆は古くから全国に知られ、京都府では新丹波黒豆という品種を普及させています。甘みと旨みが濃厚で、和食や和菓子の材料に用いられ、最近では洋菓子にも利用されています。栄養豊富で、タンパク質、カルシウム、ビタミンなどが含まれ、サポニンやイソフラボン、アントシアニンなどの成分も含まれます。
黒大豆とは?
最高級の大豆として、古くから重宝されてきた丹波の黒大豆。おせち料理には欠かせない黒豆の煮物「福豆」に用いられるのが、日本一の品質とされる丹波産の黒大豆です。兵庫県篠山地方で発祥し、丹波一円に栽培が広がったようです。この地域特有の気候条件、夏の昼夜の温度差や秋の霧によって熟成され、上質な豆が育まれたと考えられます。その味の良さは古くから全国に知られ、寛政11年(1787)の『丹波国大絵図』にも、丹波名産品としてその名が登場し、丹波家への献上品にもなりました。京都府では、在来の品種から優良な種子を選抜し、大粒で質の良い新品種「新丹波黒豆」を普及させています。
大粒で、煮ても皮が破れたりシワがよったりせず、形が崩れないのが特長です。甘みと旨みが濃厚で、おせち料理の煮豆をはじめ、豆ご飯などの和食や和菓子の材料に用いられてきました。最近ではアイスクリームやパウンドケーキなど、洋菓子にも利用されています。
黒大豆にはタンパク質、カルシウム、ビタミンなどが豊富に含まれています。また、腸を綺麗にするサポニンや女性ホルモンの働きを補うイソフラボン、疲れ目に良いアントシアニンなどの成分も含まれています。
■黒大豆の選び方
粒が大きく、大きさも揃っているもの。
■調理方法
黒大豆を煮るとき、洗ったきれいな釘を布袋に入れて一緒に煮ると、色が鮮やかに仕上がります。煮た豆を保存する場合は、密封袋に煮汁ごと入れ、冷凍庫で冷凍保存しましょう。
■黒大豆の煮豆
熱湯に調味料を加えて沸騰させる。火を止めて5時間つけ、アクをとりながら煮る。
■黒大豆の五目煮
一晩水につけた豆を出汁で柔らかく煮、他の具を炒めた中に加えて味をつけ煮る。
■黒大豆ごはん
洗った豆をフライパンで煎り、洗った米と混ぜる。水、塩、酒を加えて炊く。
■黒大豆アイスクリーム
煮豆をミキサーにかけ、牛乳、泡立てた生クリームを混ぜ、冷凍庫で凍らせる。
黒大豆の効果
■脳や神経を正常に保つ
黒大豆に含まれるビタミンB1は、糖質からのエネルギー生産を手助けすることで、糖質を栄養源とする脳神経や中枢神経にエネルギーを供給し、正常な機能を維持する役割を果たします。
■血行を良くする
酸化されたLDLコレステロールは血管壁に付着する傾向がありますが、黒大豆に含まれるビタミンEは、LDLコレステロールの酸化を防止する効果があります。そのため、ビタミンEは血行を改善することができます。
■骨粗鬆症を予防する効果
黒大豆に含まれるイソフラボンには、エストロゲンの代わりにカルシウムの流出を抑える働きがあります。
エストロゲンの分泌が減少すると、骨からカルシウムが溶け出し、骨密度が低下するため、骨粗鬆症のリスクが高まります。閉経後の女性に骨粗鬆症が多いのは、エストロゲンの低下が原因の一つであるため、イソフラボンの摂取が特に重要です。
こんな方におすすめ
●疲労を感じている人
●血中コレステロールが気になる方
●骨粗鬆症が気になる人
おさらい
●丹波産の黒大豆は、最高級の大豆として古くから重宝されている
●おせち料理の煮豆をはじめ、豆ご飯などの和食や和菓子や洋菓子にも利用される
●栄養豊富で、タンパク質、カルシウム、ビタミン、サポニンやイソフラボン、アントシアニンが含まれる
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