なすは江戸時代から多様な品種が栽培されており、べいなすはその一種で、大型で丸みのある形と締まった肉質、緑色のヘタが特徴です。アメリカ原産の「ブラックビューティー」を日本で改良したもので、「米なす」とも呼ばれます。皮に含まれるナスニンは抗酸化作用を持ち、コレステロールの改善や動脈硬化、高血圧、がんの予防に役立つとされています。また、食物繊維が豊富で胃腸にやさしく、中国では体を冷やす野菜として鎮痛・消炎に用いられています。
べいなすとは?
なすは江戸時代から多くの品種が栽培されており、球形の丸なす、細長い長なす、卵形、太長型などさまざまな形があります。べいなすは、大型で丸みのある形をもつ西洋なすの一種で、アメリカ産の「ブラックビューティー」という品種を日本で改良したことから、「べいなす(米なす)」と呼ばれるようになりました。肉質が締まり、種が少なく、茎やヘタが緑色をしているのが特徴です。
果肉に含まれる食物繊維は胃腸に負担をかけにくく、皮にはアントシアニン系色素であるナスニンが含まれています。ナスニンは活性酸素の働きを抑える抗酸化作用があり、コレステロール値を改善し、動脈硬化や高血圧、がんの予防に効果が期待されています。中国では体を冷やす野菜として、鎮痛・消炎目的にも利用されています。
■調理との組み合わせ方
一般的な調理法としては、フライパンで焼いて練り味噌と白ごまを塗る田楽が知られていますが、淡白な風味は洋風の料理ともよく合います。ビタミンCやビタミンEを含む食材と合わせることで、ナスニンの抗酸化力が高まります。トマトやオリーブオイル、バジルとともにイタリア風のマリネにするのもおすすめです。また、半分に切ったなすの中身をくり抜き、サイコロ状に切った果肉を玉ねぎ、しめじ、ベーコンなどと一緒に詰め、チーズをのせたグラタン風に仕上げても美味しくいただけます。
■選び方
ヘタの緑が鮮やかで、表面にハリとツヤがあるものを選びましょう。
■保存方法
なすは水に濡れると傷みやすく、ビタミンも失われやすいため、洗わずにパックの上からラップやポリ袋で覆い、冷蔵庫の野菜室で保存します。また、洗って水気を切った後に砂糖をまぶして冷凍保存することも可能です。
べいなすの効果
■貧血を予防する効果
赤血球は約4か月で生まれ変わるため、体内では常に新しい赤血球がつくられています。べいなすに含まれる葉酸は、赤血球のもととなる赤芽球をつくることに関与しており、赤芽球が正常につくられないと赤血球も正常につくられません。葉酸を摂取することは、正常な赤血球をつくることに役立ち、貧血の予防にもなります。
■高血圧を予防する効果
ナトリウムは体にとって必要なミネラルですが、摂り過ぎると高血圧の原因になります。
べいなすに含まれるカリウムは、過剰なナトリウムを尿として排出する働きを促すため、高血圧の予防に効果があります。
■腸内環境を整える効果
べいなすに含まれる食物繊維は、腸内に溜まった老廃物や有害物質を吸着し、体外へ排出する働きがあります。また、腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌を増やす働きもあるため、腸内細菌のバランスが良くなり、腸内環境の改善に役立ちます。
腸内環境が整うことで、便秘の予防や改善にも効果が期待できます。
こんな方におすすめ
●貧血が気になる人
●高血圧が気になる人
●腸内環境を整えたい人
おさらい
●べいなすは、大型で丸みのある形と締まった肉質、緑色のヘタが特徴
●皮に含まれるナスニンは抗酸化作用を持ち、コレステロールの改善や動脈硬化、高血圧、がんの予防に役立つ
●食物繊維が豊富で胃腸にやさしく、中国では体を冷やす野菜として鎮痛・消炎に用いられる
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
・春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)