畑菜は初牛の頃に霜にあたり甘みが増し、栄養価が高まると言われます。明治時代にヨーロッパから葉野菜が輸入されて品種改良され、現在の畑菜ができました。京都市の伏見区や左京区などで栽培され、冬から春にかけて親しまれています。形はナタネに似ていて色鮮やかな冬の野菜で、煮物や炒め物、和え物などに使われます。アクが少なく、優しい味わいで、ジュースやお菓子にも利用されます。ビタミンAやカルシウム、鉄が豊富に含まれており、栄養価も高いです。
畑菜とは?
京都では古くから、畑菜を初牛の日(2月の第一日曜)に「畑菜のからし和え」として食べると縁起が良いとされています。この風習は、畑菜が初牛の頃に霜にあたって甘みが増し、栄養価が高まるからだとも言われています。江戸時代には既に栽培されていたとされていますが、現在の畑菜は、ナタネ油用の在来種と明治時代にヨーロッパから輸入された葉野菜を組み合わせて品種改良されたものです。明治以降も、京都市の伏見区や左京区などで広く栽培され、今なお冬から春にかけての貴重な青菜として親しまれています。
葉の形はナタネに似ていますが、歯の切り込みがやや大きめです。色鮮やかな冬の野菜として、煮物や炒め物、和え物など、様々な料理に使われています。
アクが少なく、優しい味わいなので、料理に利用するだけでなく、ジュースやお菓子などにしてもおいしくいただけます。
カロテンやカルシウム、鉄などが豊富に含まれています。畑菜100gには、一日に必要なビタミンAの所要量が含まれており、さらにカルシウムも牛乳300ml相当分が摂取できます。
■畑菜の選び方
葉の色が濃く、しっかりしたもの。
■調理方法
寒い時期の畑菜は、小松菜に似た味わいですが、より柔らかく甘みがあります。煮物、炒め物、和え物、漬物など、どんな料理にしても美味しく人気があります。ただし、生産量が少なく、大量に出回らないようです。
■畑菜のからし和え
色よく茹でて、白味噌、みりん、砂糖、ねりからしを合わせて、畑菜を和える。
■畑菜と揚げの炊いたん
鍋にだし、醤油、味醂を煮立て、揚げを入れて煮た後、畑菜を加える。
■牛肉と畑菜の中華風
ごま油と牛肉を炒め、火が通ったら畑菜を入れて混ぜ、中華スープの素で味付けします。
畑菜の効果
■骨や歯を強くする
畑菜に含まれるカルシウムは、強い骨や歯をつくり、体を支える重要な働きがあります。
■貧血予防
畑菜にも含まれる鉄が不足すると、体が酸素不足になり、貧血症状が現れる原因となります。
■免疫力を高める
畑菜にも含まれるビタミンAが不足すると、気管などの粘膜において細菌やウイルスの侵入を容易にし、風邪の原因となる可能性があります。
こんな方におすすめ
●骨や歯を強くしたい人
●貧血が気になる人
●免疫力を高めたい人
おさらい
●畑菜は初牛の頃に霜にあたり甘みが増し、栄養価が高まる
●畑菜に含まれるカルシウムは、強い骨や歯をつくる
●畑菜に含まれる鉄は貧血対策に、ビタミンAは免疫力を高める
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