はちみつは天然の甘味料で、消化・吸収の良い果糖やブドウ糖を主成分に、グルコン酸、花やミツバチ由来のビタミンやミネラル、酵素など様々な栄養素を含みます。

即効性のある疲労回復効果をはじめ、整腸作用や美容面での効能も期待できます。



はちみつとは?

スペインのバレンシア州にあるラ・アラーニャ洞窟の壁画に描かれているハチミツの採取風景などから、紀元前6000年ごろよりはちみつが利用されているといわれています。

はちみつは薬用や酒、化粧品、パンや菓子、料理など幅広く利用されている食品です。

 

はちみつはミツバチが植物の花から花蜜を吸い取り、巣の中で貯蔵係のミツバチに口移しで渡します。貯蔵係のミツバチは巣房の壁に花蜜を塗り付けて、翅で風を起こし、水分を蒸発させます。20%程度の水分量になるとみつ蝋で薄くふたをし、はちみつが出来上がります。

ミツバチの唾液に含まれるインベルターゼという転化酵素が花蜜に混ぜられることで、花蜜の主成分のショ糖が果糖とブドウ糖に分解されます。

 

広範囲に咲くレンゲやアカシアなどの花には、ミツバチが集中して訪れます。1つの花に集中する時期に採れたはちみつが特定の名前で販売されているものを単花蜜といいます。国内で生産されている単花蜜の主なものは、サクラ、レンゲ、ミカン、アカシア、クローバー、リンゴなどがあります。

百花蜜は、色んな花が混ざったはちみつです。ミツバチが活動している地域の味を凝縮させたはちみつで、その地方の風土や季節特有の風味をもっています。

はちみつはミツバチが集める花蜜の種類によって、色や香り、風味が異なります。

 

はちみつの摂取で注意をしたいのは1歳未満の乳児です。1歳未満の乳児には、はちみつを食べさせてはいけないとされています。はちみつには、ごく稀にボツリヌス菌の芽胞が入っていることがあります。大人が食べても害はありませんが、腸が未発達の乳児がはちみつを食べると乳児ボツリヌス症を起こす危険があります。

 

はちみつの選び方

レンゲ、アカシア、リンゴなど様々な種類があります。加熱処理をしていないものほど、ミネラルが豊富に含まれます。

 

はちみつの保存方法

密封し、直射日光の当たらない場所で常温保存しましょう。

白く濁って結晶化した場合は、湯せんで溶かしましょう。ブドウ糖の多いはちみつほど15℃前後で結晶化しやすいです。結晶化しても品質には問題ありません。

はちみつの効果

疲労回復効果

はちみつに含まれる果糖やブドウ糖は素早くエネルギーに変換されるため、手軽にエネルギーを補給することができ、疲労回復に役立ちます。

はちみつはレモンなどに含まれるクエン酸と相性が良く、クエン酸を含む食品と組み合わせることで運動時の疲労回復にも効果的です。

 

腸内環境を整える効果

はちみつに含まれるグルコン酸には、腸内でビフィズス菌などの善玉菌のエサになり、善玉菌を増やして腸内環境を整える働きがあります。

 

美肌効果

はちみつは花の種類によって含まれるビタミンやミネラルが異なりますが、ビタミンB群の一種であるナイアシンは肌を健康に保つため、美肌効果があります。

また、はちみつに含まれるポリフェノールは抗酸化作用により細胞の老化を防ぐため、美肌に役立ちます。

こんな方におすすめ

疲労を感じている人

腸内環境を整えたい人

肌の調子が気になる人

おさらい

はちみつはミツバチが集める花蜜の種類によって、色や香り、風味が異なる

乳児ボツリヌス症を予防するため、1歳未満の乳児には、はちみつを食べさせてはいけない

果糖やブドウ糖が素早くエネルギーに変換されるため、疲労回復に効果的


参考文献

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)

・最新版 栄養がわかる 体によく効く食材事典(発行所 株式会社学研パブリッシング)

・かしこく摂って健康になる くらしに役立つ栄養学(発行所 株式会社ナツメ社)

・一般社団法人日本養蜂協会

・全国はちみつ公正取引協議会


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