あさつきは、薬味やトッピングとして使われることが多い緑黄色野菜で、ビタミンAの含有量はアスパラガスを上回ります。「浅葱」や「糸ねぎ」などの別名があり、にんにくと共通するアリシンを含みます。アリシンは加熱によってアジョエンに変化し、血液をサラサラにし、脳梗塞や高血圧の予防に効果が期待されます。また、ビタミンB1の吸収を促進し、エネルギー代謝を活発にして疲労回復を助けます。さらに、葉酸を豊富に含み、赤血球の形成を助けることで貧血予防に役立ち、動脈硬化のリスクを軽減する働きもあります。
あさつきとは?
あさつきは、薬味やトッピングとして少量使われることが多い野菜ですが、ビタミンAの含有量はアスパラガスを上回る緑黄色野菜です。 「浅葱(あさつき)」、「糸ねぎ」、「草らっきょう」などの別名があり、にんにくと共通するイオウ化合物のアリシン(アリインから生成される)を辛味成分として含んでいます。この成分を加熱するとアジョエンが生成され、血液をサラサラにし、脳梗塞の予防や血圧の上昇を抑える効果が期待されます。アリシンはビタミンB1と結合し、その吸収率を高める働きもあります。ビタミンB1の吸収が促進されるとエネルギー代謝が活発になり、疲労回復に役立ちます。
ねぎ類の中でも特に葉酸を多く含むのも特徴のひとつです。葉酸は貧血予防に役立つビタミンで、赤血球の形成に欠かせない栄養素です。また、動脈硬化の危険因子とされる血清ホモシステインの増加を抑える働きもあります。
■調理との組み合わせ方
ビタミンB1の吸収率を高めるアリシンは、あさつきの細胞内に含まれるアリインから酵素の働きによって生成されます。この酵素を十分に機能させるためには、生のまま細かく刻み、細胞を壊すことが効果的です。さらに栄養を効率よく摂取するには、ビタミンB1が豊富な肉や魚と組み合わせましょう。土佐名物「カツオのたたき」にあさつきをたっぷり添えるのは、ビタミンB1が比較的多いカツオとの相性が良いため、栄養面でも理にかなっています。
■選び方
葉がまっすぐに伸びており、ハリがあるものを選びましょう。根元の白い部分がくすんでいないものが新鮮です。
■保存方法
水で湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包み、さらにポリ袋に入れて冷蔵庫で保存すると鮮度が長持ちします。
あさつきの効果
■老化を防ぐ
あさつきに含まれるビタミンCは、抗酸化作用が強く体内の酸化を抑制する働きがあります。
■骨の形成を助ける
あさつきに含まれるビタミンKには、腸から吸収されたカルシウムを骨に取り込む働きがあります。成長期の骨の形成だけではなく、骨粗しょう症の予防にもなります。
■貧血を予防する効果
赤血球は約4か月で生まれ変わるため、体内では常に新しい赤血球がつくられています。あさつきに含まれる葉酸は、赤血球のもととなる赤芽球をつくる過程に関与しており、赤芽球が正常につくられないと赤血球も正常につくられません。葉酸を摂取することは、正常な赤血球をつくることに役立ち、貧血の予防にもなります。
また、葉酸が不足することで起こる貧血は巨赤芽球性貧血といいます。
こんな方におすすめ
●老化が気になる人
●骨や歯を強くしたい人
●貧血が気になる人
おさらい
●あさつきは、緑黄色野菜で、ビタミンAの含有量はアスパラガスを上回る
●にんにくと共通するアリシンを含み、血液をサラサラにし、脳梗塞や高血圧の予防に効果が期待される
●葉酸を豊富に含み、赤血球の形成を助けることで貧血予防に役立つ
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
・春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)