サンチュは、レタスの和名「ちしゃ」に属する「掻きぢしゃ」の一種で、葉を下から順に掻き取って食べるタイプの野菜です。江戸時代には日常的に食べられていましたが、近年は焼肉を包む食べ方で再び人気が高まっています。栄養面では、ビタミンEやビタミンAによる抗酸化作用が老化やがんの予防に役立ち、鉄分も多く貧血予防にも効果が期待できます。
サンチュとは?
レタスには「掻きぢしゃ」「立ちぢしゃ」「葉ぢしゃ」「玉ぢしゃ」などの品種があります。「ちしゃ(萵苣)」はレタスの和名であり、サンチュは、成長した葉を下から順に掻き取って食べる「掻きぢしゃ」に属します。
ちしゃの歴史は古く、江戸時代には日常的に食べられ、なますや煮物などに使われていました。戦後は消費量が減少しましたが、近年は焼肉をサンチュで包んで食べるスタイルが普及し、再び広く親しまれています。
サンチュに含まれるビタミンEは熱に強く、体内で脂肪の酸化を防いで血液の循環を促し、腎臓や心臓の働きを助けます。また、ビタミンAとともに強い抗酸化作用を発揮し、老化の抑制やがん予防にも役立ちます。さらに鉄分も豊富なため、貧血予防にも効果が期待できます。
■調理との組み合わせ方
肉や魚、味噌などを包んでそのまま食べるのが一般的です。かつては茹でておひたしや味噌和えにして食べられていました。山口県西部(旧長州藩)では、掻きぢしゃと焼き魚や煮干しを酢味噌で和えた郷土料理「ちしゃなます」が有名です。多くのレタス類は熱に弱いですが、サンチュは熱いものを包んでもパリッとした歯ごたえを保つのが特徴です。切り口が変色しやすいため、包丁ではなく手でちぎって使うのがおすすめです。
■選び方
葉が鮮やかな緑色でみずみずしく、切り口が変色していないものを選びましょう。
■保存方法
サンチュは保存にあまり適さないため、できるだけその日のうちに食べ切るのが理想です。余った場合はポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
サンチュの効果
■老化を防ぐ
サンチュに含まれるビタミンCは、抗酸化作用が強く体内の酸化を抑制する働きがあります。
■丈夫な骨や歯をつくる効果
サンチュに含まれるカルシウムは、強い骨や歯をつくり、体を支える重要な働きがあります。
カルシウムとともにマグネシウムやリンも骨をつくる成分になります。カルシウムが2~3に対して、マグネシウムは1のバランスが良いとされています。リンも骨をつくる成分ですが、一緒に摂るとカルシウムの吸収を妨げます。リンは肉類や魚介類など多くの食品に含まれ、過剰摂取となりやすいため、カルシウムの摂取量を増やすことが重要です。
また、吸収したカルシウムを効率良く骨に利用させるためには、適度な運動を行い、骨に負荷を与えることも重要です。
■貧血予防に
機能鉄は、血液中で赤血球のヘモグロビンの構成要素として機能し、酸素と結びついて肺から取り込んだ酸素を体の各器官に運搬します。一部の鉄は筋肉中に存在し、ミオグロビンというタンパク質として酸素を貯蔵します。このように、サンチュに含まれる鉄は、各器官に酸素を運ぶ重要な役割を果たしています。したがって、鉄の不足は体が酸素不足になり、貧血症状が現れる原因となります。
こんな方におすすめ
●老化が気になる人
●骨や歯を強くしたい人
●貧血が気になる人
おさらい
●サンチュは、レタスの和名「ちしゃ」に属する「掻きぢしゃ」の一種
●ビタミンEやビタミンAによる抗酸化作用が老化やがんの予防に役立つ
●鉄分も多く貧血予防にも効果が期待できる
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
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