九条ねぎは、長くて柔らかく、風味豊かな青ねぎで、人気の京野菜です。明治時代にはすき焼きの具材として広く使われ、大正時代には生産が盛んになりました。現在は洛北を中心に栽培が行われており、京都だけでなく東京などでも欠かせない野菜として重用されています。肉厚で内側にぬめりが多く、甘味があります。魚や鶏肉との相性が良く、すき焼きや焼き物、麺類の薬味にも利用されます。体を温めたり、消化を促進する効果もあるとされています。
九条ねぎとは?
九条ねぎは、長くて柔らかく、風味の良い青ねぎです。人気の京野菜ですが九条ねぎの来歴については確かな記録はないようです。ただし、起源はかなり古いようで、平安朝前期の書物には既に水ねぎとして、京都の九条村付近で栽培されていた記録が残っています。明治時代になると、牛肉を食べる機会が増えたことから、すき焼きに欠かせない存在となり、消費が増えました。大正時代には、東・西九条を中心に大々的に生産されていましたが、市街地の拡大に伴い、栽培地は徐々に南下していきました。戦後は、栽培地域が京都の洛北に移り、現在は北区、左京区でも九条ねぎの栽培が行われています。
甘みがあり風味豊かな九条ねぎは、京都だけでなく東京などの主要都市でも料理に欠かせない味として重用されています。肉厚で内側にぬめりが多いのが特徴で、そのぬめりが加熱することでとろりとした甘さになります。魚と一緒に煮ると、魚の生臭みが消えておいしくなり、鶏肉と交互に串刺しして焼いたり、すき焼きの具材にしたりと、肉類との相性も抜群で、麺類の薬味にも欠かせません。
古くからねぎは、体を温める食材として風邪をひいた時に食べるのも良いと言われています。また、消化を促進する効果もあるとされています。
■九条ねぎの選び方
晩秋から早春にかけて出回るものが旬の味です。太くて緑の濃いもの、薬味用には細いものがおすすめです。
■調理方法
「鴨がねぎをしょってくる」ということわざにも使われるように、鶏肉との組み合わせは絶品です。臭みをとり、鶏肉の旨みを引き立てます。
■ねぎ焼き
たっぷり刻んで、すじ肉や牡蠣、ちくわなどと一緒にお好み焼きに。
■酢味噌和え
さっと茹でてぬめりを取り、あさりや青柳など貝類と一緒に酢味噌和えにする。
■焼き鳥
ジューシーな鶏もも肉と串刺しにして、焼き鳥に。塩焼き、タレ焼きどちらもおすすめです。
九条ねぎの効果
■脳や神経を正常に保つ
九条ねぎに含まれるビタミンB1は、糖質からのエネルギー生産を手助けすることで、糖質を栄養源とする脳神経や中枢神経にエネルギーを供給し、正常な機能を維持する役割を果たします。
■皮膚、毛髪、爪をつくる
九条ねぎに含まれるビタミンB2は、たんぱく質の合成に関与し、細胞の再生や新しい細胞をつくるのを助けます。成長を促したり、皮膚や髪、爪、粘膜などを再生させます。
■老化を防ぐ
九条ねぎに含まれるビタミンCは、抗酸化作用が強く体内の酸化を抑制する働きがあります。
こんな方におすすめ
●疲労を感じている人
●成長期の子ども
●老化が気になる人
おさらい
●九条ねぎは、長くて柔らかく、風味豊かな青ねぎで、人気の京野菜
●肉厚で内側にぬめりが多く、甘味があり魚や鶏肉との相性が良く、麺類の薬味にも利用される
●体を温めたり、消化を促進する効果もあるとされている
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