レンズ豆は西アジアと地中海沿岸が原産で、カメラのレンズに似た形状からその名前がつけられました。主成分は炭水化物で、体内で分解されてブドウ糖に変わり、エネルギー源となります。レンズ豆はビタミンB群やビタミンE、カリウム、マグネシウム、鉄などの栄養素が豊富です。調理法としては、スープやカレー、煮込み料理に使用され、圧力鍋で戻さずに調理することもできます。また、豚肉やパプリカ、にんにくなどと組み合わせると栄養バランスが良くなります。
レンズ豆とは?
レンズ豆は西アジアから地中海沿岸地域が原産地です。「レンズ豆」という名称は、凸型の実の形がカメラのレンズに似ているためです。豆の色は緑色や緑がかった褐色が一般的で、オレンジ色のレンズ豆は皮をむいた状態のものです。
主成分はでんぷんを主体とした炭水化物で、このでんぷんが体内で分解されてブドウ糖に変わります。ブドウ糖は脳、神経系、赤血球、筋肉などのエネルギー源となり、これらの器官が正常に働くためには、タンパク質、脂質とともに適量の炭水化物をバランスよく摂取する必要があります。レンズ豆には、三大栄養素に加え、それらの代謝に重要な役割を果たすビタミンB群、抗酸化作用のあるビタミンE、ナイアシンをはじめ、カリウム、マグネシウム、リン、鉄など、多くの栄養素が含まれています。
■調理との組み合わせ方
レンズ豆はスープや煮込み料理、カレーなどに使われます。2〜3時間ほど浸水して使用しますが、圧力鍋を使った煮込みなら、戻さずにそのまま使っても良いです。豆自体に多くの栄養素が含まれていますが、炭水化物の代謝を促進するビタミンB1を含む豚肉やレバー、タンパク質の代謝に働くビタミンB6が豊富なパプリカやにんにくなどの野菜と組み合わせると、栄養バランスがアップします。にんじんやブロッコリーなどの緑黄色野菜をつけ合わせると、さらに充実します。
■選び方
乾燥品と缶入りタイプがあります。選ぶ際は、褐色よりも緑色、または緑色がかかっていて、表面に艶があるものを選びましょう。
■保存方法
レンズ豆は高温と湿度に弱いため、冷暗所で保存することをおすすめします。開封後は密閉容器に移し替え、早めに食べきると良いです。
レンズ豆の効果
■筋力の低下を防ぐ効果
筋肉のもととなるタンパク質は分解と合成を繰り返しながら一定量を保っているため、レンズ豆に含まれるタンパク質が不足すると、筋肉を維持することができません。
また、タンパク質は体内で1gあたり4kcalのエネルギーを生み出し、活動するためのエネルギー源にもなります。毎食タンパク質を含む食品を摂ったり、おやつなどからも補うことが必要です。
■エネルギーをつくるのを助ける
米やパン、麺類の糖質を分解してエネルギーに変換する際には、レンズ豆に含まれるビタミンB1が酵素の働きを助けます。
運動をする人は、エネルギーの需要が高いため、ビタミンB1もより多く必要とされます。また、脳にもエネルギーが必要です。エネルギー不足は集中力の低下につながる可能性があります。
■腸内環境を整える効果
レンズ豆に含まれる食物繊維は、腸内に溜まった不要な老廃物や有害物質を吸着し、体外へ排出する働きがあります。また、腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌を増やす働きもあるため、腸内細菌のバランスが良くなり、腸内環境の改善に役立ちます。
腸内環境が整うことで、便秘の予防や改善にも効果が期待できます。
こんな方におすすめ
●筋力を維持したい人
●運動習慣のある人
●便秘で悩んでいる人
おさらい
●レンズ豆は西アジアと地中海沿岸が原産で、カメラのレンズに似た形状からその名前がつけられた
●主成分は炭水化物で、体内で分解されてブドウ糖に変わり、エネルギー源となる
●ビタミンB群やビタミンE、カリウム、マグネシウム、鉄などの栄養素が豊富
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
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