よもぎは、日本で草もちの材料として親しまれ、「モチグサ」とも呼ばれます。沖縄では「フーチバー」と呼ばれる近似種があり、雑炊の薬味や臭み消しに利用されます。栄養価が高く、ビタミン類やミネラルを含むため、古くから薬用として重宝されてきました。血行不良や生理痛、肌荒れの改善に効果があり、アレルギー疾患への有効性も注目されています。調理法としては天ぷら、和え物、よもぎご飯などが一般的です。春先の柔らかい葉が食用に適し、保存には冷凍が推奨されます。また、ビタミンAによる肌荒れ予防、ビタミンEによる血行改善、カリウムによるむくみ予防にも役立ちます。
よもぎとは?
よもぎは、日本人には草もちの材料として馴染み深く、「モチグサ」という別名もあります。沖縄では「フーチバー」と呼ばれる近似種があり、ハーブの一種として雑炊などの薬味に使うほか、肉や魚の臭み消しにも利用されます。
ビタミン類をはじめ、カリウム、カルシウム、鉄、タンパク質、食物繊維などの栄養成分を含むため、世界中で古くから薬用として重宝されてきました。血行不良や生理痛、生理不順、冷え性などの婦人病全般に効果があるとされ、皮膚や粘膜の機能と深く関わるビタミンAを特に多く含むことから、肌荒れや湿疹などの皮膚疾患の改善にも外用薬として利用されています。また、よもぎに含まれる葉緑素やカフェタンニン、精油成分などの有効成分は、最近ではアレルギー疾患への効果が期待され、注目を集めています。
■調理との組み合わせ
草だんごや草もちの材料以外では、天ぷら、和え物、おひたし、よもぎご飯などに使われるのが一般的です。春に摘み取った新芽はアクが少ないため、そのまま使用できます。それ以外のものや、摘み取ってから時間が経ったものはアクが強いため、下茹でする際に重曹をひとつまみ加えるとよいでしょう。食物繊維が豊富なので、便秘予防として炒め物などの具材に加えるのもおすすめです。
■選び方
食用に適するのは、春先に出回る柔らかく淡い色の葉を持つものです。緑色が濃いものはアクが強く、舌ざわりが悪く感じられることがあります。
■保存方法
冷蔵庫の野菜室でも1〜2日は保存できますが、長く楽しむ場合は、茹でたものをペースト状にして冷凍保存するのがおすすめです。
よもぎの効果
■肌荒れ予防
よもぎに含まれるビタミンAは、皮膚や粘膜などの上皮細胞の形成や機能に重要な役割を果たしています。上皮細胞は体内に侵入する病原菌を防ぐ役割があり、ビタミンAが不足すると皮膚が乾燥し、肌荒れが生じる可能性があります。
■血行を良くする
酸化されたLDLコレステロールは血管壁に付着する傾向がありますが、よもぎに含まれるビタミンEはLDLコレステロールの酸化を防止する効果があります。そのため、ビタミンEは血行を改善することができます。
■むくみを予防・改善する効果
ヒトの体は約60%が水分でできており、水分が細胞と血管の間を循環しています。ナトリウムの過剰摂取やカリウムの不足などにより、体内の水分バランスが崩れてしまうとむくみにつながることがあります。よもぎに含まれるカリウムを摂ることで、体内の水分バランスが調整され、むくみの予防や改善が期待できます。
こんな方におすすめ
●肌の乾燥が気になる人
●血中コレステロールが気になる方
●むくみが気になる人
おさらい
●よもぎは、日本で草もちの材料として親しまれ、「モチグサ」とも呼ばれる
●草もちの他に、天ぷら、和え物、よもぎご飯などに調理される
●よもぎに含まれるビタミンAは肌荒れ予防、ビタミンEは血行改善、カリウムはむくみ予防に役立つ
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
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