牡蠣はミネラルやビタミンが豊富で、特に鉄、銅、ビタミンB12などは貧血予防に効果的です。また、牡蠣に含まれるタウリンは肝機能をサポートし、中性脂肪の減少や肝臓の負担軽減に役立ちます。さらに、タウリンはコレステロールの吸収を阻害し、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の予防にも効果的です。カルシウムやマグネシウムは神経の興奮を鎮め、ストレス解消や高血圧予防に貢献します。牡蠣には亜鉛も豊富で、強壮効果があります。和・洋・中のレシピに幅広く活用されています。



牡蠣とは?

牡蠣の仲間は、日本近海におよそ20種類生息しています。一般的に食用として出回っているのは養殖の真牡蠣であり、その旬は冬です。一方、岩牡蠣は夏が旬です。牡蠣は「海のミルク」とも呼ばれるだけあって、優れた栄養素を含んだ食材です。特にカルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、銅などのミネラルが豊富に含まれています。さらに、ビタミンB群やビタミンEも多く含まれています。

牡蠣には血液中のヘモグロビンの構成成分である鉄や、鉄の吸収を助ける銅が多く含まれています。さらに、赤血球の生成を促すビタミンB12も100gあたり23.0μgと多く含まれています。そのため、貧血予防に効果があると言われています。

 

また、牡蠣には糖質の大部分を占めるグリコーゲンが含まれており、これは肝臓の働きを助けて肝機能を強化します。さらに、牡蠣のヌルヌルした部分にはタウリンが豊富に含まれています。タウリンは肝臓にたまった中性脂肪を減らす効果があり、アルコールの分解を助けることで肝臓の負担を軽減します。

肝臓は糖質やタンパク質、脂質の代謝を調節し、有害物質の解毒も担当する重要な臓器です。肝臓を守ることは、全体的な健康を保つために重要です。牡蠣には肝臓の機能を向上させる素晴らしい能力があり、健康増進に役立つことがわかっています。

 

タウリンには、交感神経の緊張を和らげ、脳を興奮させる物質の分泌を抑制する働きがあります。また、人間の体は血圧や心拍数を一定に保つための機能であるホメオスタシス(恒常性維持機能)をサポートする役割も果たします。さらに、タウリンは血液中におけるコレステロールの吸収を妨げ、余分なコレステロールの排出を促進するため、LDL(悪玉)コレステロールを減らす助けとなります。その結果、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の予防に役立つことがあります。

 

さらに牡蠣には豊富なカルシウムやマグネシウムが含まれており、これらのミネラルには神経の興奮を鎮める作用があります。そのため、ストレスの解消や精神の安定、イライラや不眠症の緩和、高血圧の予防、眼精疲労の軽減、視力の回復に効果があります。また、牡蠣には豊富な亜鉛も含まれており、亜鉛は強壮効果があります。大粒の牡蠣であれば、3~4個で1日の亜鉛の推奨量を満たすことができます。

 

選び方

身がふっくらと厚みがあるもの。縁のひだが黒く鮮やかなもの。

 

生食用と加熱用の違い

パック売りされている牡蠣は、一般的に生食用と加熱用に分けられています。生食用は鮮度の良い牡蠣であり、一方、加熱用は鮮度が悪いと思われがちですが、実際には鮮度の違いではありません。両者の違いは、滅菌処理が適切に行われているかどうかで、鮮度は同じです。

ただし、生食用の牡蠣を加熱して食べると、風味が落ちると言われています。そのため、パックの表示に従って食べることをおすすめします。

牡蠣の効果

貧血の予防

牡蠣には鉄と、鉄の吸収を助ける銅が多く含まれ、さらに赤血球の生成を促すビタミンB12も多いことから貧血予防に効果があります。

 

LDL(悪玉)コレステロールを減らす

牡蠣に含まれるタウリンには血液中にコレステロールが吸収されるのを妨げ、余計なコレステロールの排出を促し、LDL(悪玉)コレステロールを減らします。

 

ストレス解消

牡蠣には神経の興奮を沈める作用があるカルシウムやマグネシウムが含まれているので、ストレス解消、精神安定、イライラに有効です。

こんな方におすすめ

貧血が気になる人

LDL(悪玉)コレステロールが気になる人

ストレスが気になる人

 

おさらい

カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、銅などのミネラルが豊富

牡蠣のヌルヌルした部分に含まれるタウリンは、肝臓にたまった中性脂肪を減らし、アルコールの分解を助け肝臓の負担を軽減する

牡蠣に含まれるカルシウムやマグネシウムには神経の興奮を沈める働きがある


参考文献

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)

・実用版オールカラー 食品図鑑(発行所 女子栄養大学出版部)


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