梅は生のままだと有害物質を含むため、梅干しのように必ず加工して食べます。
梅は豊富な有機酸を含み、「三毒(食べ物の毒、血液の毒、水の毒)を断つ」と言われるほどの殺菌力があります。また、カリウムやカルシウムなどのミネラル、ビタミンEなども多く含まれており、特にレモンと並んでクエン酸の含有量が多いため、強力な殺菌・抗菌作用だけでなく、疲労回復や食欲増進、骨の健康促進、血行促進などの効果も期待できます。
梅は保健機能としてだけでなく、嗜好品としても貴重な果実です。
梅干しとは?
梅は梅干しなどに加工されて食べられることが多いです。それは生の梅には有毒なアミグダリンが含まれているためです。
栄養素としては、ビタミンEや食物繊維が目立ちますが、その他にもクエン酸やリンゴ酸といった有機酸が豊富に含まれていることから、梅には非常に酸っぱい味があります。
クエン酸にはカルシウムなどのミネラルの吸収を高める働きがあるため、小魚や豆腐などと食べ合わせることをおすすめします。イワシの煮物に梅干しを加えると、骨がより柔らかくなります。また、梅干しのピルビン酸は肝臓の機能を活性化させます。
梅は北海道から九州まで幅広く栽培されていますが、和歌山県の南高梅は特に栽培に適しており、全国的にも生産量が多いです。
梅は古くから観賞用や薬用として利用されてきましたが、食用としての用途も広く、日本独自の加工品である梅干しも非常にポピュラーです。
■かぜにおすすめの黒焼きレシピ
梅干し1〜2個を強火で焦げ目がつくまで焼く。
それを器に入れて熱湯を注ぎ、好みではちみつか黒砂糖を加えます。
少しずつ梅干しを砕きながら飲むのが、かぜの症状にはおすすめです。
■梅の選び方
粒がそろっていて、キズがないものを選びましょう。
梅干しの効果
■疲労回復に
梅のすっぱさの要因はクエン酸であり、クエン酸は糖質の代謝を促進し、筋肉内に蓄積した疲労物質や乳酸をエネルギーに変えるため、疲労回復の効果があります。
乳酸によって引き起こされる腰痛や肩こりなどの痛みも緩和します。
また、クエン酸は強力な殺菌・抗菌作用も持ち、さらに食欲増進や骨の強化、血行促進などの効果もあります。
こんな方におすすめ
●疲労を回復したい人
●骨や歯を強くしたい人
●血流を改善したい人
おさらい
●梅干しの酸っぱさはクエン酸やリンゴ酸が豊富に含まれているから
●クエン酸は、筋肉中にたまった疲労物質や乳酸をエネルギーに変え疲労回復の効果がある
●クエン酸には骨を丈夫にする、血行をよくする、などの効果もある
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