かぼちゃは緑黄色野菜の代表的な存在で、β-カロテンやビタミンC、ビタミンE、食物繊維などが豊富に含まれています。

「冬至に食べると風邪をひかない」ということわざは、含まれる栄養素に由来したものです。免疫力の向上や美肌効果などが期待できます。



かぼちゃとは?

かぼちゃの種類には大きく分けて西洋かぼちゃ、日本かぼちゃ、ペポかぼちゃの3つがあります。市場に多く出回っているのは、甘味がありホクホクとした食感の西洋かぼちゃです。日本かぼちゃはねっとりとして水分が多く、甘味が少ないので煮物に適しています。ペポかぼちゃはあっさりとした味で、金糸瓜やズッキーニなどがその仲間です。

通年出回りますが、国産のかぼちゃであれば5~9月が旬となります。

 

かぼちゃの果肉の鮮やかなオレンジ色は、主にカロテノイドのβ-カロテンによるものです。β-カロテンは西洋かぼちゃに多く、日本かぼちゃと比べると約5倍の量が含まれています。

β-カロテンは体の中で必要な分だけビタミンAに変わるプロビタミンAのひとつです。皮膚や粘膜を丈夫にする働きがあり、抗酸化作用で体の免疫力を高めてくれます。

β-カロテンは脂溶性ビタミンで油と組み合わせると吸収が良くなるため、炒め物やサラダなどのレシピがおすすめです。

 

かぼちゃに含まれるビタミンCやビタミンEにも抗酸化作用があります。ビタミンCは肌荒れの予防に、ビタミンEは血行の促進に働くほか、がんや生活習慣病の予防効果が期待されています。抗酸化作用のある3種類のビタミンで相乗効果も期待できます。

 

かぼちゃの選び方

手に持ったときに重みがあり、ヘタの切り口がコルクのように枯れていることが完熟のサインです。皮がかたく、表面の色が濃く凹凸があり、ツヤのあるものがおすすめです。

カットされたものを買うときは、果肉のオレンジ色が濃く、ワタの部分が乾いていないものを選びましょう。

 

かぼちゃの保存方法

丸ごとなら風通しの良い場所で常温で保存しましょう。

カット済みのかぼちゃはワタと種を取り除いてからラップに包み直し、冷蔵保存しましょう。

かぼちゃの効果

免疫力を高める効果

ビタミンA(β-カロテン)、ビタミンC、ビタミンEには、体内で発生した活性酸素を除去する抗酸化作用があります。体内で活性酸素が増えると、細胞が酸化して老化が進み、免疫力の低下につながります。そのため、これらのビタミンを摂取することで、免疫力の向上が期待できます。

 

美肌効果

ビタミンCは、皮膚や細胞に含まれるコラーゲンの生成に欠かせないビタミンです。細胞の結びつきを強めることで、皮膚などの肌のハリを保つ効果があります。

シミの元であるメラニン色素の沈着を防ぐ働きから、シミの予防にも役立ちます。

 

老化を予防する効果

ビタミンEは強い抗酸化作用があることから、「若返りのビタミン」とも呼ばれています。

ビタミンEが体内の不飽和脂肪酸を活性酸素から守ることで、老化や病気の原因になる過酸化脂質の生成を防ぎ、細胞の老化を防ぐ働きがあります。

 

便秘を改善する効果

かぼちゃに含まれる不溶性食物繊維は、腸を刺激して蠕動運動を活発にし、腸内に溜まった不要な老廃物や有害物質を吸着して体外へ排出する働きがあるため、便秘の改善が期待できます。

こんな方におすすめ

免疫力を高めたい人

肌の調子が気になる人

便秘が気になる人

おさらい

抗酸化作用のあるビタミンA(β-カロテン)、ビタミンC、ビタミンEが含まれる

β-カロテンは日本かぼちゃよりも西洋かぼちゃに多い

免疫力を高める働きや美肌効果が期待できる


参考文献

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)

・春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜と魚の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)

・最新版 栄養がわかる 体によく効く食材事典(発行所 株式会社学研パブリッシング)

・かしこく摂って健康になる くらしに役立つ栄養学(発行所 株式会社ナツメ社)

・日本食品標準成分表2020年版(八訂)

・独立行政法人 農畜産業振興機構


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