桜餅に使われる葉はオオシマザクラのもので、厳しい環境に適応しやすく、生育が早い特徴を持ちます。花が大きく見栄えが良いため、公園に多く植えられ、現在は東北から九州にかけて広く分布しています。葉には芳香成分クマリンが多く含まれ、桜餅の材料として利用されています。関東では小麦粉の生地であんを包み、塩漬けの桜の葉で仕上げる桜餅が一般的です。一方、関西では道明寺粉を用いた桜餅が主流で、1000年以上前に大阪の道明寺で保存食として作られたのが始まりです。桜餅は、春の風情を感じさせる伝統的な和菓子です。
桜餅の葉っぱとは?
桜餅に使われる葉は、オオシマザクラのものです。この桜は伊豆諸島の大島などに自生する野生種で、比較的厳しい環境に適応しやすく、生育が早い特徴があります。また、花が大きく見栄えが良いため、公園などに多く植えられるようになりました。しかし繁殖力が強く、現在では東北から九州にかけて、海岸林を含む自然林に広く分布しています。開花時期は個体差がありますが、ヤマザクラやソメイヨシノよりやや遅めです。
オオシマザクラの葉には芳香成分のクマリンが豊富に含まれており、桜餅の葉として広く知られています。東京・向島の長命寺では、元禄時代から桜餅が親しまれてきました。関東の桜餅は、小麦粉の生地を薄く焼き、こしあんを包む形が一般的で、塩漬けの桜の葉を2~3枚使って仕上げます。
一方、大阪を含む関西では道明寺粉を使った桜餅が主流です。道明寺粉とは、もち米を蒸して乾燥させた後に粗くひいたもので、和菓子によく用いられます。この製法は1000年以上前に大阪・藤井寺市の道明寺で初めて生まれ、保存食として重宝されました。ピンク色の餅とほのかな桜の香りを楽しめる桜餅は、見た目も味も春を感じられる風流な菓子です。
桜餅の葉っぱの効果
■老化を防ぐ
桜餅の葉にはクマリンが含まれており、抗酸化作用が体内の酸化を抑制する働きがあります。
こんな方におすすめ
●老化が気になる人
おさらい
●桜餅に使われる葉はオオシマザクラの葉で、厳しい環境に適応しやすく、生育が早い特徴を持つ
●葉には芳香成分クマリンが多く含まれ、また抗酸化作用がある
●関東では小麦粉の生地であんを包み、関西では道明寺粉を用いた桜餅が主流
・ワイド図鑑 身近な樹木(発行所 株式会社 主婦の友社)
・農林水産省 aff(あふ)2023年3月号 春を彩る桜を知ろう!https://x.gd/HWojS
・桜もち 東京都 うちの郷土料理(農林水産省)https://x.gd/uQ7t2
・桜餅 大阪府 うちの郷土料理(農林水産省)https://x.gd/Sz2MY
・夏ミカン類が含有するフラボノイド類およびクマリン類含量の特徴(健康医療科学研究 号 11, p. 1-12, 発行日 2021-03-01)