シャドークイーンは紫色の皮と果肉を持つジャガイモで、アントシアニンを豊富に含み、加熱しても鮮やかな色が残るのが特徴です。この色素は強い抗酸化作用を持ち、視力回復や眼精疲労予防、高血圧対策、動脈硬化の予防効果が期待されています。また、食味が良く加工時の品質が高いため、健康志向の食材や加工食品として注目されています。特にその機能性や美しい色彩が評価され、業務用や加工原料用としての需要が拡大しています。
シャドークイーンとは?
シャドークイーンは平成18年に命名された品種で、皮と果肉がともに紫色をしている長楕円型のジャガイモです。アントシアニンを1gあたり約7.4mg含有しており、色素濃度が高いため、煮たり蒸したりしても紫色が残るのが特徴です。このアントシアニン特有の機能性に注目した研究が進められており、健康志向の食材としての利用が期待されています。
同じ紫肉品種である「キタムラサキ」や「インカパープル」と比べ、食味が良く、チップやフライ加工時の褐変が少ないとされています。
また、アントシアニン色素には強い抗酸化作用があることから、インフルエンザウイルスの増殖抑制効果や、ヒト胃がん細胞に対するアポトーシス誘導活性などの機能性も確認されているようです。
さらに、加工食品としての販売も広がっており、業務用や加工原料用の需要にも高い品質で応えています。その見た目の色彩の美しさと機能性の高さが注目を集めています。
シャドークイーンの効果
■目の症状に効く
シャドークイーンに含まれるアントシアニンは、光の刺激を伝える役割を持つロドプシンの再合成を促進し、視力回復に優れた効果を発揮します。
ロドプシンは網膜に存在する色素体で、視覚信号を脳に伝達した後、一度分解され、再び合成されます。このプロセスが繰り返されることで私たちは物を見ることができます。しかし、活性酸素の影響や老化などによってロドプシンの修復がスムーズに行われなくなると、視界が悪くなる原因となります。
アントシアニンは、ロドプシンや網膜を活性酸素から守るだけでなく、毛細血管を強化し血行を促進します。このため、視力低下や眼精疲労、さらには網膜の病気を予防する効果が期待されています。
■高血圧対策に
アントシアニンは、血圧を上昇させる酵素の働きを阻害することで、高血圧の予防に役立ちます。
さらに、血小板の凝集を抑え、毛細血管を保護して血管の弾力を保つ効果もあります。このため、動脈硬化や心筋梗塞、脳血管障害の予防にも寄与します。
また、肝臓の機能を改善する効果も確認されています。
こんな方におすすめ
●目の調子が気になる人
●高血圧が気になる人
●肝機能が気になる人
おさらい
●シャドークイーンは紫色の皮と果肉を持つジャガイモ
●シャドークイーンに含まれるアントシアニンは、視力回復や眼精疲労予防に良い
●さらに高血圧対策、動脈硬化の予防効果が期待されている
・日本いも類研究会(シャドークイーン) https://www.jrt.gr.jp/var/n57.html
・農研機構 (シャドークイーン) https://www.naro.go.jp/collab/breed/0100/0106/001697.html
・バレイショ育種における加工適性と機能性成分の改良( Institute of Radiation Breeding, Ministry of Agriculture & Forestry 47号,p.49-56(2010-05))
・農林水産省 aff(あふ)平成29年11月1日発行 第48巻第11号通巻566号
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)