「畑の肉」と称されるほど豊富なたんぱく質を含み、その中でも体内では十分に生成されない必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。大豆たんぱく質を利用して作られる豆腐や納豆などの加工食品は消化が容易であることが特徴です。さらに、ビタミンB1、B2、Eなどのビタミン類、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラル類も含まれており、食物繊維も豊富です。
また、栄養素以外にも更年期障害や骨粗鬆症の改善に効果的なイソフラボンや、コレステロールの上昇を抑える大豆サポニンなどの健康に良い成分も含まれています。そのため、今ではお肉の代わりに大豆を使用した大豆ミートのレシピを見かける機会が増えています。
大豆とは?
大豆は「畑の肉」と称されるほど、良質なたんぱく質を豊富に含んでいます。そのアミノ酸バランスは優れており、さらにお肉に比べて脂質が少なく、低エネルギーです。また、100gあたりの含有量として、カルシウムは180mg、マグネシウムは220mg、鉄は6.8mg、亜鉛も3.1mg含まれています。これらは豆や野菜の中でもトップクラスの数値です。ビタミンAやビタミンCの含有量は少ないですが、ビタミンB群は豊富に含まれます。
大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンであるエストロゲンに類似した構造を持ち、更年期障害や骨粗鬆症において重要な役割を果たします。更年期障害や骨粗鬆症は、女性ホルモンの分泌低下によるホルモンのバランスの乱れが原因ですが、イソフラボンはホルモンの不足を補うため、更年期障害の不快な症状を緩和する効果があります。また、ホルモンの不足による骨からのカルシウムの流出を抑えるため、骨粗鬆症にも効果的です。さらに、大豆にはカルシウムの流出を抑えるビタミンK、骨の形成に重要な役割を果たすマグネシウムなども豊富に含まれています。
また大豆にはサポニンという成分が含まれています。このサポニンには、血中のコレステロールを低下させたり、血液の凝固を抑制する働きがあります。また、体脂肪の燃焼を促進し、肥満や脂質異常症を予防する効果もあります。さらに、腸の運動を活発にするため、便秘の改善にも効果的です。
■理想の摂取量
イソフラボンは大豆のフラボノイドの一種であり、大豆一粒には0.2〜0.4%の割合で含まれています。骨粗鬆症の予防のためには、1日あたり約50mgのイソフラボンを摂取することが理想的です。豆腐の場合は1/2丁程度、納豆の場合は1パック程度になります。
■選び方
自然なツヤがあり、粒がそろっているもの。
■保存方法
密閉容器に入れて冷蔵庫へ
大豆の効果
■更年期障害の症状を緩和
女性ホルモンが不安定になることで更年期障害が起こります。大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンの不足を補います。
■骨の健康を促進する
大豆に含まれるイソフラボンは、骨からのカルシウムの流出を抑制する効果があります。また、大豆には骨の形成を促進し、カルシウムの吸収を助ける成分も含まれています。そのため、大豆は骨粗鬆症などに対して効果的です。
■血を固まりにくくする働き
大豆にはサポニンという、血中のコレステロールを減らしたり、血を固まりにくくする働きをする成分が含まれています。
こんな方におすすめ
●更年期の人
●骨粗鬆症が気になる人
●コレステロール値が気になる人
おさらい
●たんぱく質を豊富に含んでいて、お肉よりも脂質が少なく低エネルギー
●必須アミノ酸をはじめ、ビタミン類やミネラル類、食物繊維も豊富
●更年期障害や骨粗鬆症の改善、コレステロールの上昇を抑える成分が含まれている
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
・春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)