くわいは、塊茎が食用で、サクサクとした食感と甘み、ほろ苦さ、香ばしさが特徴です。関西ではおせち料理に使われ、願いを込めて丸のまま調理されます。主に煮物に用いられますが、天ぷらや炒め物にもおすすめです。奈良時代に中国から伝わり、京都で作られるようになりました。16世紀以降、京都の東寺周辺で盛んに栽培されました。栄養価が高く、タンパク質やミネラル、ビタミンEが豊富に含まれます。
くわいとは?
くわいは、塊茎の部分が食用となり、サクサクとした歯応えに、甘みと独自のほろ苦さ、香ばしさが特徴です。
関西では、「芽が出るように」という願いを込めて、おせち料理に用いられる縁起の良い野菜として知られています。縁起物の芽を残したまま、丸のまま調理されます。主に煮物に用いられますが、油との相性も良いため、天ぷらや素揚げ、炒め物などにしても美味しくいただくことができます。
奈良時代に中国から渡来したとされる多年生の水生植物であり、平安時代にはすでに京都で作られていたようです。16世紀後半以降、京都の東寺周辺で盛んに栽培されるようになりました。東寺一帯は標高が低く、豊臣秀吉が築いた「御土居」の盛り土の採取跡が低温で肥沃な土地になり、くわいの栽培に適していたと言われています。もともとは藍の栽培の裏作として栽培されていましたが、天然藍の栽培が衰退するとともに、農地も減少しました。現在では、市内の栽培農家は少なくなっています。京都のくわいは、青くわい系の品種で、外皮が光り、濃い青藍色をしています。
くわいは、さつまいもの約4倍ものでんぷん質を主成分とし、栄養価に優れた食品です。タンパク質やカリウム、リンなどのミネラル、ナイアシン、ビタミンEも豊富に含まれています。
■くわいの選び方
小ぶりで芽がすっと伸びているもの。光沢のある鮮やかな濃い青色のもの。
■調理方法
丸のまま調理する場合は、芽を切り落とさないように、気をつけて丁寧に皮を剥いてください。
くわいにはえぐみがあるため、皮を剥いたら必ず米のとぎ汁で茹でるなどして、アク抜きすることが必要です。
■くわいの煮物
芽を残したまま厚めに皮を剥き、水にさらした後、だしと調味料で煮含める。
■くわいせんべい
くわいを薄くスライスして水にさらし、水気を切って素揚げし、塩を振ります。
■くわいの素揚げ
水洗いして水を切り、薄く皮を剥いてください。油で揚げ、好みで塩を振って食べます。
■くわいの田楽
皮を剥いて水にさらし、合わせ調味料で煮ます。縦半分に切って、田楽味噌をつけてください。
くわいの効果
■免疫力を高める
くわいに含まれるタンパク質は、体を構成する細胞になるほか、体を細菌やウイルスなどから守る免疫細胞のもとにもなります。免疫細胞が活性化されると、免疫力を高めることにつながります。
■むくみの解消に
くわいに含まれるカリウムを摂ることで、体内の水分バランスが調整され、むくみの予防や改善が期待できます。
■骨を強くする
くわいに含まれるリンのほとんどは骨や歯の原料となっています。カルシウムと結合して、骨の硬度を保つ作用があります。
こんな方におすすめ
●免疫力を高めたい人
●むくみが気になる人
●骨や歯を強くしたい人
おさらい
●くわいは、塊茎の部分が食用となり、サクサクとした歯応えに、甘みと独自のほろ苦さ、香ばしさが特徴
●くわいに含まれるタンパク質は、免疫力を高めることにつながる
●くわいに含まれるカリウムはむくみの改善、リンは骨や歯の原料となる
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