江戸時代以降、東京の小松川地区で栽培され、その地名から「小松菜」という名前が付けられました。小松菜は寒さに強く、緑黄色野菜の一種であり、体内で吸収されるとビタミンAとなるβ-カロテンを豊富に含んでいます。また、ミネラル類も多く、特にカルシウムの含有量が高いことがよく知られています。鉄に関してもほうれん草よりも多く含まれています。
体内で変換されたビタミンAは、主に目や皮膚、粘膜の健康維持に役立ちます。また、免疫力の低下からくる風邪や皮膚の乾燥といった症状からも保護してくれます。カルシウムや鉄は血液や骨の形成に不可欠な栄養素であり、特に女性に多い「婦人病」と呼ばれる貧血や骨粗鬆症の予防にも役立ちます。そのため、小松菜はたくさん摂取したい野菜の一つです。
小松菜とは?
小松菜はβ-カロテンやビタミンC、カルシウムが豊富です。カルシウムの含有量は野菜の中ではトップクラスで、100gあたり170mgとほうれん草の3倍以上も含んでいます。
特に、小松菜のおひたしはレシピでよく見かける料理ですが、小鉢1皿で牛乳と同じくらいのカルシウムを摂ることができます。また、ビタミンB群やカリウム、鉄などのミネラルも豊富に含まれており、栄養バランスが非常に良い特徴があります。小松菜はアクが少ないため、下茹でする必要がなく、そのまま炒めたり茹でたりしても水にさらす必要がありません。そのため、水溶性のビタミンの栄養価をほとんど失うことなく、効率よく栄養素を摂取することができます。
小松菜には豊富なβ-カロテンが含まれており、この成分はがんの発生に深く関与している活性酸素を取り除く働きを持っています。そのため、小松菜にはがんの予防効果があります。また、カルシウムは骨を丈夫にし、特に女性に多い骨粗鬆症を予防する役割も果たします。さらに、カルシウムには精神を安定させる作用もあります。
ビタミンCは、シミやそばかすの予防だけでなく、ストレスに対する抵抗力を高める効果もあります。ビタミンAは肌荒れを防ぎ、美しい肌を保つ助けとなります。鉄は貧血を防ぎます。これらの理由から、小松菜は若さと美しさを保つために欠かせない野菜と言えるでしょう。
■正しい選び方
緑色が濃くて葉先までピンとしているもの。根近くの茎が折れていないものを選ぶこと。
■保存方法
水で湿らせた新聞紙でくるみ、ポリ袋に入れて、根を下にして冷蔵庫の野菜室へ。
■小松菜の由来
東京・江戸川区の小松川で多く作られていたことから、その地名に由来して小松菜と呼ばれるようになりました。現在では一年中入手可能ですが、本来は冬の野菜であるため、冬菜や雪菜、うぐいす菜などの美しい別名も存在します。
小松菜の効果
■骨粗鬆症の対策に
カルシウムの含有量は、野菜の中でもトップクラスです。骨を丈夫にします。
■貧血対策
ほうれん草と同様に、小松菜にも豊富な鉄が含まれていますので、貧血対策におすすめです。
■お肌の健康を保つ
小松菜に含まれるビタミンCはシミやそばかすを防ぎ、ビタミンAは肌荒れを防いで美しい肌を保ちます。
こんな方におすすめ
●骨粗鬆症が気になる人
●貧血が気になる人
●肌の調子が気になる人
おさらい
●野菜の中でもトップクラスの豊富なカルシウムを含んでいる
●ビタミンB群、カリウムや鉄も多く含み、栄養バランスが非常に良い
●ビタミンC、ビタミンAといった美しい肌を保つ成分が含まれている
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
・春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)