カテキンは緑茶に豊富に含まれるポリフェノールの一種であり、お茶の特有な苦味や渋味の成分です。カテキンには強力な抗酸化作用と殺菌作用があります。寿司屋で濃い緑茶が出されるのは、その殺菌効果を期待していると言われています。

カテキンは紅茶やほうじ茶など他の茶にも含まれていますが、緑茶には最も多く含まれています。一番煎じでは茶葉に約40%のカテキンが残りますし、二番煎じでも約20%が残ります。カテキンを効率よく摂取するためには、茶葉を粉末にしてお湯で煎じたり、牛乳に混ぜたり、塩と混ぜて抹茶塩として使用したりする方法があります。これらの方法を利用することで、カテキンを効果的に摂取することができます。



カテキンとは?

カテキンには、腸炎ビブリオ菌、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌などの細菌の細胞膜を破壊する働きがあり、食中毒の原因となる細菌に対して有効です。さらに、O-157やMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、ピロリ菌などにも効果があります。カテキンは抗ウイルス作用も持ち、インフルエンザや風邪などの感染症から身体を守る役割も果たします。

また、カテキンは強力な抗酸化作用を持ち、細胞膜を酸化から保護し、動脈硬化や心臓病を予防します。特にエピガロカテキンとエピガロカテキンガレートは抗酸化作用が強く、がん細胞の増殖を抑制し、傷ついた細胞を保護する働きがあります。

さらに、カテキンは胆汁酸の排泄を促進し、コレステロールの値を下げる効果があります。また、HDL(善玉)コレステロールLDL(悪玉)コレステロールのバランスを整える効果もあります。

血圧を上昇させる酵素ACE(アンジオテンシン変換酵素)の働きを抑制し、血圧の上昇を防ぐ効果もあります。その他にも、血糖値の急激な上昇を抑える効果や、虫歯や口臭の予防、アレルギー症状の抑制などの効果も報告されています。

カテキンの効果

生活習慣病の予防

コレステロールが酸化することにより血管が衰えます。カテキンはその原因となる活性酸素の増加を抑え、動脈硬化などの生活習慣病を予防します。

 

血糖値の上昇を抑える

唾液や膵液に含まれる消化酵素の働きを抑制して、消化を穏やかにさせます。それにともない、血糖値の急な上昇も抑えられます。

 

脂肪の吸収を抑える

小腸で脂肪を吸収する消化酵素のリパーゼの働きを抑制します。脂肪の分解が抑えられ、吸収が低下します。脂肪の燃焼を助ける作用もあります。

 

感染症を予防する

カテキンの抗菌作用がピロリ菌の活動を抑えたり、風邪を予防することが研究で分かっています。細菌やウイルスから身体を守り、感染症を予防する効果が期待できます。

カテキンが摂れる食べ物

緑茶、番茶、ほうじ茶、紅茶など

こんな方におすすめ

生活習慣病が気になる人

血糖値が気になる人

免疫力を高めたい人

おさらい

カテキンは強い抗酸化作用で細胞膜を酸化から守り、動脈硬化や心臓病を防ぐ

唾液や膵液に含まれる消化酵素の働きを抑制し、消化を穏やかにして、血糖値の急な上昇を抑える

カテキンは緑茶に多く含まれるポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用と殺菌作用がある


参考文献

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)

・正しく知れば体が変わる!栄養素の摂り方便利帳(発行所 株式会社PHP研究所)

・NHK出版 健やかな毎日のための栄養大全(発行所 NHK出版)


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