ナトリウムは人体に必要なミネラルの一種で、主に食塩(塩化ナトリウム)を含んだ食品から摂取できます。本来、ナトリウムの摂取量が多いと尿や他の経路を通じて排泄され、摂取量が少ないと排泄量は抑えられるようになっていますが、慢性的にナトリウムの過剰摂取が続くと高血圧の原因にもなるため、注意が必要となります。

ただし、スポーツなどで大量の汗をかいたり、下痢をしたときなどは、大量のナトリウムが失われるため、適切に補充することが重要です。



ナトリウムとは?

食品表示の栄養成分表示には、「ナトリウム」と表記される食品と、「食塩相当量」と表記される食品がありますが、2015年に食品表示法が施行され、それまで「ナトリウム」と表示されていた食品は「食塩相当量」と表示されるようになりました。栄養成分に表示されている「ナトリウム」という表記は、一般的には「食塩」と誤解されがちですが、家庭で一般的に使用される食塩は、「塩化ナトリウム」という化合物であり、塩素とナトリウムが結合しています。ナトリウムは食塩だけでなく、ほとんどの食品に含まれています。

ナトリウムの目標量(食塩相当量として)は、成人1人1日あたり男性7.5g未満、女性6.5g未満と設定されています。
醤油や味噌を多く使用する日本人の食生活では、比較的食塩の摂取量が多いため、抑えることは容易ではありませんが、健康維持のために過剰摂取には注意が必要です。

 

摂りすぎないようにするために

ナトリウムを排出するカリウムを多く摂りましょう。カリウムは野菜類、芋類、果実類、海藻類などに含まれていますまた塩分を控えるために、香辛料や出汁を効かせて薄味にするなどの工夫もおすすめです。

カリウムについてはこちらからご覧いただけます。

ナトリウムの効果

神経や筋肉を正常に動かす

ナトリウムはカリウムと作用しあい(ナトリウム-カリウムポンプ)、細胞内外の濃度に差が生じると、イオンによって電気変化が起こります。この電気変化により神経伝達や筋肉の弛緩・収縮が生じます。ナトリウムは神経や筋肉を正常に動かすために働いています。

 

体内の水分量を調整

細胞が活動するためには、細胞の内外に水分が必要です。細胞外液にはナトリウムが、細胞内液にはカリウムが含まれており、これらが濃度を調整して水分量のバランスを保ちます。体内の水分量を常に適切に調整する働きをしています。

ナトリウムが摂れる食べ物

濃口しょうゆ 5700mg

薄口しょうゆ 6300mg

赤みそ 5100mg

ザーサイ 5400mg

サラミ 1700mg

ロースハム 910mg

ベーコン(ばら) 940mg

梅干し(塩漬) 7200mg

さきいか 2700mg

塩イワシ 2400mg

※可食部100gあたり

※日本食品標準成分表2020年版(八訂)より

こんな方におすすめ

筋肉の調子を整えたい人

運動習慣のある人

汗っかきな方

おさらい

慢性的にナトリウムの摂り過ぎが続くと、高血圧の原因につながる

目標量は、成人1人1日あたり男性7.5g未満、女性6.5g未満

神経や筋肉を正常に動かしたり、体内の水分量を調節する


参考文献

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)

・e-ヘルスネット(厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト)

・正しく知れば体が変わる!栄養素の摂り方便利帳(発行所 株式会社PHP研究所)

NHK出版 健やかな毎日のための栄養大全(発行所 NHK出版)


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