タウリンは、タコやイカなどの軟体動物、しじみやあさり、牡蠣などの貝類にも多く含まれる硫黄を含んだアミノ酸です。スルメイカの表面に見られる白い粉もタウリンです。タウリンは心臓、筋肉、骨髄、脳、肺、肝臓、目の網膜など、ほとんどの組織に存在し、生命維持に重要な役割を果たしています。また、タウリンは肝機能を向上させ、胆汁酸の分泌促進や解毒を促進する効果があります。さらに、コレステロールを低下させて動脈硬化を予防したり、目の健康を保つ働きもあります。
タウリンとは?
タウリンは、アミノ酸の一種であり、交感神経の抑制作用があります。これにより、食塩の摂り過ぎによって引き起こされる高血圧を改善する効果があります。また、タウリンは血圧を正常に調整し、総コレステロール値を低下させ、HDL(善玉)コレステロールを増やす働きがあります。その結果、高血圧による脳卒中や動脈硬化、心不全や心筋梗塞などの予防に役立ちます。
さらに、タウリンは肝臓の機能を向上させ、解毒作用を強化します。具体的には、肝臓の胆汁酸の分泌を促進し、肝細胞の再生を促し、細胞膜の安定化を図るなどの作用があります。胆汁酸はコレステロールの排出を促す役割を果たすため、体内のコレステロールを減少させ、胆石症の予防にも役立ちます。
そのほかにも、タウリンは気道の収縮を抑制するため、気管支喘息に対して効果があります。また、腸内の蠕動運動を促進し、腸内細菌(悪玉)の異常繁殖を予防する効果もあります。
■効率よく摂る方法
タウリンの主要な供給源であるタコやイカなどの魚介類には、コレステロールが多く含まれています。しかし、タウリンにはコレステロールを低下させる作用があるため、通常の範囲内で摂取している限り、コレステロールの過剰摂取の心配はありません。
スルメイカの表面に見られる白い粉はタウリンですので、はたき落とさないように注意しましょう。
また、サバやイワシなどの魚には、身よりも血合い部分にタウリンが豊富に含まれています。サバでは身の15倍〜16倍、イワシでは5〜6倍です。血合い部分にはタウリンだけでなく、鉄やビタミンA、ビタミンB群、ビタミンDなども多く含まれていますので、血合い部分を残さないようにしましょう。
タウリンの効果
■高血圧の予防
タウリンには交感神経抑制作用があり、食塩の摂り過ぎが原因で起こる高血圧を改善する作用があります。
■コレステロールを減少させる
コレステロールの排出を促す胆汁酸の分泌を促進します。
■肝臓の働きをよくする
タウリンは、肝臓の機能を高め、肝臓の解毒作用を強化します。
タウリンが摂れる食べ物
しじみ、タコ、イカ、牡蠣など
こんな方におすすめ
●高血圧が気になる人
●コレステロール値が気になる人
●肝機能が気になる人
おさらい
●高血圧を改善する作用があり、脳卒中や動脈硬化、心不全や心筋梗塞などを予防する
●コレステロールの排出を促す働きがあり、体内のコレステロールを減少させる
●肝臓の働きをよくして、肝臓の解毒作用も強化する
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
・正しく知れば体が変わる!栄養素の摂り方便利帳(発行所 株式会社PHP研究所)
・NHK出版 健やかな毎日のための栄養大全(発行所 NHK出版)