ビタミンAは、水にとけにくく、油脂にとけやすい脂溶性ビタミンで、レバーやうなぎ、バター、チーズ、たまご、緑黄色野菜などの食べ物に含まれます。
肌の健康の維持をはじめ、視覚の暗順応(暗いところでも目が慣れて見えること)や鼻やのどの粘膜の保護といった働きがあります。
ビタミンAとは?
ビタミンAの化学名はレチノールですが、ビタミンAには、レバーなどの動物性食品に含まれているレチノールと緑黄色野菜などに含まれているβ-カロテンがあります。
β-カロテンは吸収されると体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAの吸収率は90%ですが、β-カロテンの吸収率は10〜60%であり、油と一緒に摂取すると吸収率が高まります。
レチノールは小腸から吸収された後、肝臓に運ばれてそこで貯蔵されます。そのため、過剰に摂取すると頭痛や脱毛などの症状を引き起こす可能性があります。
β-カロテンは体内で吸収される際にレチノールに変換されますが、変換されなかったものは肝臓やその他の組織で変換されることもあります。
ビタミンAの効果
■目のビタミン
目の網膜にはロドプシンという光を感じる物質がありますが、ロドプシンを生成するためにはビタミンAが必要です。ロドプシンは光に反応し、その刺激を脳に伝えることで物体が見えるようになります。ビタミンAが不足すると網膜のロドプシンが減少し、暗い場所では物が見えづらくなる夜盲症になる可能性があります。
■肌荒れ予防
ビタミンAは、皮膚や粘膜などの上皮細胞の形成や機能に重要な役割を果たしています。上皮細胞は体内に侵入する病原菌を防ぐ役割があり、ビタミンAが不足すると皮膚が乾燥し、肌荒れが生じる可能性があります。
■免疫力の向上
ビタミンAの不足は気管などの粘膜において細菌やウイルスの侵入を容易にし、風邪の原因となる可能性があります。風邪を引きやすい人、回復が遅い人、口内炎や歯ぐきの腫れが起こりやすい人は、ビタミンA不足が考えられます。
ビタミンAが摂れる食べ物
鶏レバー 14000㎍
豚レバー 13000㎍
うなぎの蒲焼き 1500㎍
にんじん(皮つき) 720㎍
春菊 380㎍
ほうれん草 350㎍
ホタルイカ 1500㎍
※数値はレチノール活性当量
※可食部100gあたり
※日本食品標準成分表2020年版(八訂)より
こんな方におすすめ
●目の調子が気になる人
●肌の乾燥が気になる人
●免疫力を高めたい人
おさらい
●ビタミンAには、レバーなどの動物性食品に含まれているレチノールと緑黄色野菜などに含まれているβ-カロテンがある
●ビタミンAが不足すると、網膜のロドプシンが少なくなり、暗がりでは物が見えにくくなる
●ビタミンAが不足すると、肌荒れやかぜの原因になる
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
・正しく知れば体が変わる!栄養素の摂り方便利帳(発行所 株式会社PHP研究所)
・NHK出版 健やかな毎日のための栄養大全(発行所 NHK出版)
・食品成分最新ガイド 栄養素の通になる第2版(発行所 女子栄養大学出版部)