タラの芽はタラノキの新芽で、独特の風味とほろ苦さから「山菜の王様」と呼ばれます。栄養面では葉酸が豊富で、ビタミンB12とともに赤血球の形成を助け、血行改善や動脈硬化、認知症の予防に役立ちます。ミネラルではカリウムが多く、ナトリウムとのバランスを取りながら細胞内の水分維持や体の機能調整に関与します。また、骨や歯の形成に必要なリンも含まれ、エネルギー代謝にも関わります。さらに「老化抑制ビタミン」と呼ばれるビタミンEが豊富で、アンチエイジングを意識する人にとって魅力的な食材です。



タラの芽とは?

タラの芽とは、タラノキの新芽を食用にしたもので、独特の風味とほろ苦さがあり「山菜の王様」とも呼ばれます。ビタミンB群の中では葉酸を多く含むのが特徴です。葉酸はビタミンB12と協働して赤血球の形成を助け、血行の改善や動脈硬化の予防に働くほか、認知症予防にも効果があるとされています。

ミネラルではカリウムが多く、ナトリウムとのバランスを保ちながら細胞内の水分量や浸透圧を調整し、体の機能維持に役立ちます。またリンはカルシウムと結合して骨や歯を形成し、エネルギー代謝にも関わります。

さらに「老化抑制ビタミン」と呼ばれるビタミンEも豊富で、アンチエイジングを意識する人にとって嬉しい成分です。

 

調理との組み合わせ方

代表的な調理法は天ぷらや和え物です。ビタミンEは油と一緒に摂ることで吸収が高まるため、揚げ物は効率的です。植物油にもビタミンEが多く含まれるため、相乗効果が期待できます。さっと茹でて、胡麻やくるみなどの木の実と和えたり、おひたしにしても美味しくいただけます。

 

選び方

穂先が鮮やかな緑色で、あまり大きく育ちすぎていないものを選びましょう。

 

保存方法

湿気にも乾燥にも弱いため、小さく穴をあけたポリ袋や新聞紙・紙袋に包み、冷蔵庫の野菜室へ。鮮度と風味が落ちやすいため、早めに食べ切ることをおすすめします。

タラの芽の効果

貧血を予防する効果

赤血球は約4か月で生まれ変わるため、体内では常に新しい赤血球がつくられています。タラの芽に含まれる葉酸は、赤血球のもととなる赤芽球をつくることに関与しており、赤芽球が正常につくられないと赤血球も正常につくられません。葉酸を摂取することは、正常な赤血球をつくることに役立ち、貧血の予防にもなります。

また、葉酸が不足することで起こる貧血は巨赤芽球性貧血(悪性貧血)といいます。

 

シミを防ぐ

年齢を重ねると、皮膚や血管、臓器に老人斑として知られる老化色素であるリポフスチンが増加する傾向があります。しかし、タラの芽に含まれるビタミンEの摂取により、皮膚にリポフスチンが蓄積されず、シミの形成を防ぐことができます。

 

腸内環境を整える効果

タラの芽に含まれる食物繊維は、腸内に溜まった老廃物や有害物質を吸着し、体外へ排出する働きがあります。また、腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌を増やす働きもあるため、腸内細菌のバランスが良くなり、腸内環境の改善に役立ちます。

腸内環境が整うことで、便秘の予防や改善にも効果が期待できます。

こんな方におすすめ

貧血が気になる人

美肌になりたい人

便秘で悩んでいる人

おさらい

タラの芽はタラノキの新芽で、独特の風味とほろ苦さから「山菜の王様」と呼ばれる

栄養面では葉酸が豊富で、ビタミンB12とともに赤血球の形成を助け、血行改善や動脈硬化、認知症の予防に役立つ

さらに「老化抑制ビタミン」と呼ばれるビタミンEが豊富で、アンチエイジングを意識する人にとって魅力的な食材


参考文献

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)

・春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)


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