アーティチョークは「朝鮮あざみ」とも呼ばれ、つぼみの部分が食用とされ、葉や根は薬草として使われてきました。でんぷんや水溶性食物繊維、ミネラルが豊富で、血糖値やコレステロールの上昇を抑え、生活習慣病の予防に役立ちます。特にカリウムはナトリウムを排出し、高血圧を防ぐ効果があります。
つぼみは茹でてソースにつけるのが一般的ですが、蒸すか電子レンジ加熱の方が栄養を保持しやすく、スープやシチューにも適しています。選ぶ際は肉厚で締まりの良いものを選び、保存はオリーブオイル漬けが最適です。
また、ビタミンCが免疫力を高め、水溶性食物繊維がコレステロールの排出を促す効果も期待できます。
アーティチョークとは?
アーティチョークは「朝鮮あざみ」とも呼ばれ、食材となるつぼみの部分だけでなく、葉や根も古くから薬草として利用されてきました。
野菜としては珍しくでんぷんを含み、水溶性食物繊維やミネラルが豊富です。水溶性食物繊維は水分を吸収して膨張し、食べたものを胃に長くとどめるため、糖分の消化吸収を遅らせ、血糖値やコレステロールの急激な上昇を抑えます。
また、特に多く含まれるカリウムは、余分なナトリウムを排出し、血圧を安定させる効果があります。生活習慣病の予防に役立つ成分が豊富なため、日常の食事に取り入れたい野菜です。
■調理との組み合わせ
つぼみを茹で、ガクを1枚ずつ剥がしてバターソースやマヨネーズにつけ、歯でしごくように食べるのが一般的です。温かいうちに食べるのがおすすめです。
ただし、カリウムは水溶性のため、茹でるよりも蒸すか電子レンジで加熱する方が栄養を効果的に摂取できます。また、スープやシチューなど、煮汁ごと食べられる料理も適しています。芯の柔らかい部分は、薄味で調理するとよりおいしく食べられます。
■選び方
ふっくらと肉厚で、つぼみの締まりが良いもの。ガクや茎に張りがあるものが新鮮です。
■保存方法
鮮度が落ちると紫色に変色するため、つぼみの付け根が緑色のうちに食べ切るのが理想です。日持ちはしないため、残った場合はオリーブオイルなどに漬けて保存しましょう。
アーティチョークの効果
■免疫力を高める
アーティチョークに含まれるビタミンCは、身体の中に入ってくるウイルスを排除しようとする働きがある「白血球」を強化してくれます。それだけではなく、自らもウイルスを排除しようとする働きがあります。風邪が流行する時期には、ビタミンCを摂取することをおすすめします。
■高血圧を予防する効果
ナトリウムは、体にとって必要なミネラルですが、摂り過ぎると高血圧の原因になります。
アーティチョークに含まれるカリウムは、過剰なナトリウムを尿として排出する働きを促すため、高血圧の予防に効果があります。
■コレステロール値を下げる効果
アーティチョークに含まれる水溶性食物繊維には吸着性があるため、胆汁酸が腸管内で吸収されるのを防ぐ働きがあります。胆汁酸は肝臓でコレステロールを原料としてつくられるので、胆汁酸の排出を促進することで、結果的にコレステロール値の低減に役立ちます。
不溶性食物繊維にも胆汁酸の排出を促進する働きがあるので、血中のコレステロール値を下げる効果があります。
こんな方におすすめ
●免疫力を高めたい人
●高血圧が気になる人
●コレステロール値や血糖値が気になる人
おさらい
●「朝鮮あざみ」とも呼ばれ、つぼみの部分が食用とされ、葉や根は薬草として使われる
●でんぷんや水溶性食物繊維、ミネラルが豊富で、血糖値やコレステロールの上昇を抑え、生活習慣病の予防に役立つ
●つぼみは茹でてソースにつけるのが一般的ですが、蒸すか電子レンジ加熱の方が栄養を保持しやすい
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