ぼたんこしょうは、長野県北部で栽培される青唐辛子で、平成20年に信州の伝統野菜に認定。夏の料理に利用され、ピーマンよりも高いビタミンCやグルタミン酸が含まれ、標高650~800mの地域で栽培される。



ぼたんこしょうとは?

ぼたんこしょうは、長野県北部の中野市や信濃町、およびその周辺の中山間地域で栽培されてきた青唐辛子です。牡丹の花のように見えることから、「ぼたんこしょう」と名付けられ、平成20年に信州の伝統野菜に認定されました。野菜のシャキシャキ感と、ピリッとしたぼたんこしょうの辛みがアクセントになり、暑い季節で食欲がないと感じる夏の料理に利用されています。

ピーマンと比較すると、ぼたんこしょうの方がビタミンC含量が高いことが示されています。また、緑色果実よりも赤色果実の方が更に高い数値を示し、グルタミン酸含量においても緑色果実では2倍以上の数値、赤色果実では約3倍の数値という研究報告があります。

長野県中野市内で生産されるぼたんこしょうは、斑尾山南東斜面の標高約650~800mの比較的高い地域で栽培されています。これより低い標高の地域では十分な果実成長が得られず、味も低下するとされています。今後は栽培地の標高がぼたんこしょうの品質に与える影響を明らかにする必要があると考えられています。

 

保存方法

時間が経つほどにビタミンCやグルタミン酸の含有量が低下していくため、美味しくビタミンCを多く含んだぼたんこしょうを食べるには、常温よりも冷蔵保存、かつ保存期間は短くすることをおすすめします。

ぼたんこしょうの効果

老化を防ぐ

ぼたんこしょうに含まれるビタミンCは、抗酸化作用が強く体内の酸化を抑制する働きがあります。

 

免疫力を高める

ビタミンCは、身体の中に入ってくるウイルスを排除しようとする働きがある「白血球」を強化してくれます。それだけではなく、自らもウイルスを排除しようとする働きがあります。風邪が流行する時期には、ビタミンCを摂取することをおすすめします。

 

ストレス対策に

ストレスが生じると、抗ストレスホルモンであるアドレナリンという副腎髄質ホルモンが分泌され、血圧を下げて血中の糖分を増やし、エネルギーの増産態勢を整えます。ビタミンCは副腎髄質ホルモンの生成に関与し、エネルギーを増やすことに役立ちます。

 

脳を活性化する効果
ぼたんこしょうに含まれるグルタミン酸は、脳機能を活性化させます。

こんな方におすすめ

老化が気になる人

免疫力を高めたい人

脳を活性化させたい人

おさらい

ぼたんこしょうは青唐辛子で、長野県北部で栽培される信州の伝統野菜

ピーマンよりも高いビタミンCやグルタミン酸が含まれる

ビタミンCは免疫力を高めたり、グルタミン酸は脳を活性化させる


参考文献

・長野県在来トウガラシ品種‘ぼたんこしょう’(Capsicum annuum L.)果実の抗酸化成分および呈味成分の貯蔵中変化(園芸学研究 11 (3), 379-385, 2012)

・うちの郷土料理> 長野県(農林水産省)

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)


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