旨味が多く、味噌汁の具材としてなど、食卓で親しまれているしじみ。

身は小ぶりですが、肝臓の働きを助けるオルニチンやタウリン、貧血予防に効果的な鉄やビタミンB12、骨や歯を丈夫にするカルシウムなどの栄養素が豊富に含まれています。



しじみとは?

しじみはシジミ科に属する二枚貝の総称です。

名前の由来は、貝殻の小ささや模様、身を煮ると縮むなどの特徴を表す「ちぢみ」で、それが転じてしじみになったという説があります。

 

しじみの旬は、1~2月の寒しじみと7月の土用しじみの2回あります。

在来種のしじみには、ヤマトシジミ、セタシジミ、マシジミなどがあり、国内で流通している国産しじみのほとんどがヤマトシジミです。ヤマトシジミの主な産地は、北海道の網走湖、青森県の十三湖、小川原湖、島根県の穴道湖、茨城県の涸沼、那珂川などが有名です。

 

しじみが生息するのは、海水と淡水が入り混じる汽水湖や淡水のため、塩抜きをする際は塩分濃度1%の塩水が適しています。

 

しじみは昔から二日酔いに効くとされています。その理由はしじみに含まれるオルニチンやタウリンなどが肝臓の働きを助け、有害物質の解毒をスムーズに行う効能があるからです。

貝類の中でもミネラルが特に注目され、丈夫な骨や歯をつくるために欠かせないカルシウムや貧血予防の鉄が豊富に含まれます。

また、旨味成分のコハク酸を多く含み、だし汁には旨味が凝縮しているため、しじみに含まれる栄養素を余すところなく摂取できる味噌汁がおすすめです。

 

しじみの選び方

殻にツヤがあり、色が濃く大粒でふっくらしているもの。口がしっかり閉じているものを選びましょう。

 

しじみの保存方法

買ったらすぐに塩分濃度1%の塩水で塩抜きをします。乾燥させないようにビニール袋などの保存袋に入れて密封し、冷蔵または冷凍で保存しましょう。

しじみの効果

肝機能をサポートする効果

アミノ酸のオルニチンとタウリンは、有害物質のアンモニアの解毒作用や肝臓の働きを助ける働きがあり、肝臓の機能を強化してくれます。

タウリンは肝臓での胆汁酸の分泌や肝細胞の再生を促進し、細胞膜を安定化させるなどの作用もあります。

飲酒時や二日酔いの時には、肝機能をサポートしてくれるしじみがおすすめです。

 

疲労回復効果

しじみに含まれる多糖類のグリコーゲンは、筋肉や肝臓で一時的にエネルギーとして貯蔵され、必要に応じてエネルギー源として利用されるため、疲労回復に効果があります。

 

貧血を予防する効果

しじみには鉄とビタミンB12が多く含まれ、その含有量はレバー並みです。

どちらも貧血の予防には欠かせない栄養素で、鉄は骨髄で赤血球の合成に使われ、赤血球の赤い色素であるヘモグロビンとなります。ヘモグロビンとなった鉄は酸素と結合し、血液中を流れて全身の細胞に酸素を運びます。

ビタミンB12は「造血のビタミン」とも呼ばれ、葉酸とともに正常な赤血球をつくる働きがあります。ビタミンB12と葉酸のどちらかが不足をすると、悪性貧血(巨赤芽球性貧血)のリスクが高まります。

こんな方におすすめ

肝機能が気になる人

疲労を感じている人

貧血が気になる人

おさらい

しじみの生息地は海水と淡水が入り混じる汽水湖や淡水のため、塩抜きをする際は塩分濃度1%の塩水が適している

オルニチンとタウリンで肝機能の強化が期待できる

鉄とビタミンB12の働きで貧血予防に効果的


参考文献

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)

・春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜と魚の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)

・最新版 栄養がわかる 体によく効く食材事典(発行所 株式会社学研パブリッシング)

・かしこく摂って健康になる くらしに役立つ栄養学(発行所 株式会社ナツメ社)

・食品でひく 機能性成分の事典(発行所 女子栄養大学出版部)

・日本食品標準成分表2020年版(八訂)


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