伏見とうがらしは、甘味とうがらしの一種で、柔らかい果皮と辛みがないのが特徴です。京都で最も多く作られる甘味種のとうがらしで、古くから伏見区稲荷付近で栽培されていたそうです。細長く先端が尖った特徴的な形状で、「きごしょう」と呼ばれる葉も食べることができます。焼いて食べるほか、天ぷらや炒め物にして楽しむことができます。ビタミンCやカルシウムが豊富で、夏バテしやすい時期の栄養補給に適しています。



伏見とうがらしとは?

別名「伏見甘」や「ひもとう」とも呼ばれる「伏見とうがらし」は、京都で最も多く作られている甘味とうがらしの一種で、京都の家庭の食卓には欠かせない夏の食材です。果実の濃い緑がつややかで、果皮が柔らかく、辛味はありません。今の京都市伏見区稲荷付近で古くから栽培されてきたとされ、江戸時代の書物にも記されています。

伏見とうがらしは「伏見群」という品種に属しており、日本で栽培されているとうがらしの中では最も細く長く、先端が尖っているのが特徴です。また京都では葉の部分を「きごしょう」と呼び、この葉も佃煮などにして食べることができます。果実も葉も楽しめる便利な野菜です。爽やかな風味と甘味が持ち味で、そのまま焼いて食べるほか、天ぷら、炒め物などに使うのもおすすめです。

豊富な栄養を含む伏見とうがらしは、夏バテしやすい時期にもってこいの食材です。特にビタミンCやカルシウムは、ピーマンやししとうがらしよりも多く含まれています。

 

伏見とうがらしの選び方

色が濃くてハリとツヤがあり、曲がっていないもの。

 

調理方法

ピーマンよりもビタミンCを豊富に含んでいる伏見とうがらし。水に溶けやすく、熱に弱いビタミンを逃さないように、加熱時間はできるだけ短くするのがおすすめです。

 

焼きとうがらし

網で焼いた伏見とうがらしを、鰹節と醤油でいただく。

 

伏見とうがらしの肉味噌炒め

細切りにして、合挽き肉と炒め、味噌、砂糖、醤油で調味する。

 

きごしょう煮

とうがらしの葉の部分をサッと湯通しして、醤油や酒などを入れて炊く。

伏見とうがらしの効果

老化を防ぐ

伏見とうがらしに含まれるビタミンCは、抗酸化作用があり体内の酸化を抑制する働きがあります。

 

丈夫な骨や歯をつくる効果

伏見とうがらしに含まれるカルシウムは強い骨や歯をつくり、体を支える重要な働きがあります。また、吸収したカルシウムを効率良く骨に利用させるためには、適度な運動を行い、骨に負荷を与えることも重要です。

 

血行を良くする

酸化されたLDL(悪玉)コレステロールは血管壁に付着する傾向がありますが、伏見とうがらしに含まれるビタミンEは、LDL(悪玉)コレステロールの酸化を防止する効果があります。そのため、ビタミンEは血行を改善することができます。

こんな方におすすめ

老化が気になる人

骨や歯を強くしたい人

血中コレステロールが気になる人

おさらい

伏見とうがらしは、甘味とうがらしの一種で、柔らかい果皮と辛みがないのが特徴

葉の部分を「きごしょう」と呼び、この葉も佃煮などにして食べることができる

ビタミンCやカルシウムが豊富で、夏バテしやすい時期の栄養補給に適している


参考文献

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)

・まるごと京野菜 からだがよろこぶ京都ブランド(発行所 株式会社 青幻舎)


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