堀川ごぼうは太く、皮がひび割れており、根の先端が広がっています。太い胴部分が柔らかく、味がしっかり染み込みます。主に煮物の材料として使用され、香りが高く、肉や魚との相性が良いです。食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富で、便秘解消、動脈硬化やがんの予防に効果があります。



堀川ごぼうとは?

堀川ごぼうは、一般的な細長いごぼうのイメージとは異なり、むしろ丸太のように太く皮がひび割れ、根の先端がタコ足状に広がっています。内部は空洞になっており、一見無骨な印象を与えますが、昔から京料理で重宝される高級食材です。その栽培の起源は江戸時代初期にさかのぼります。豊臣氏の滅亡により豊臣秀吉の聚楽第も廃墟となり、残った外堀が近隣住民のゴミ捨て場として利用されました。その後、その土の中に植えられたごぼうが巨大に成長し、「堀川ごぼう」が生まれたとされています。

300年以上にわたる伝統的な栽培方法では、10月に種を蒔いて育てた苗を翌年6月に畑に植え替え、11〜12月に収穫します。この一連の作業には1年以上の時間と手間がかかり、上質なごぼうが育てられます。

肥沃な土壌で熟成された堀川ごぼうは、太い胴部分は繊維が柔らかく、芯までしっかりと味が染み込みます。そのため、主に煮物の材料として用いられます。特に香りが高いため、香味野菜として肉や魚との相性が良く、中の空洞にすり身やひき肉を詰めて煮るのが一般的です。先端の細い部分は、きんぴらなどに適しています。

一般的なごぼうと比較して、堀川ごぼうには食物繊維、ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれています。その食物繊維は、便秘解消、動脈硬化やがんの予防に効果があるとされています。

 

堀川ごぼうの選び方

できるだけ大きさが均一で、ヒゲ根が少なく、泥付きのもの。

 

調理方法

特有の香りや旨みは皮の部分にあるので、風味を損なわないよう薄めに皮を削ぐか、汚れをたわしでこすり落とします。またアクが強いので、調理前に水にさらしてアク抜きをしておきましょう。

 

堀川ごぼうの煮物

茹でたごぼうの中をくり抜いて、4つ割りにし、合わせ調味料で煮て山椒を振ります。

 

堀川ごぼうの海老いこみ

筒切りにして茹で、中身をくり抜いて海老のすり身を詰め、合わせ調味料で煮る。

 

堀川ごぼうのきんぴら

根の先端部分をささがきにして、ごま油で炒め、醤油、砂糖で味付けをする。

 

たたきごぼう

筒切りにして、茹でたものを拍子切りにし、出汁、醬油、砂糖などを入れ、味をつける。

堀川ごぼうの効果

腸内環境を整える

ごぼうに含まれる食物繊維には、腸内に溜まった不要な老廃物や有害物質を吸着し、体外へ排出する働きがあります。

また、腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌を増やす働きもあるため、腸内細菌のバランスが良くなり、腸内環境の改善に役立ちます。腸内環境が整うことで、便秘の予防や改善にも効果が期待できます。

 

免疫力の向上

ごぼうに含まれるビタミンCには、身体の中に入ってくるウイルスを排除しようとする働きがある「白血球」を強化してくれます。それだけではなく、自らもウイルスを排除しようとする働きがあります。

 

丈夫な骨や歯をつくる

ごぼうに含まれるカルシウムには、強い骨や歯をつくり、体を支える重要な働きがあります。

こんな方におすすめ

便秘で悩んでいる人

免疫力を高めたい人

骨や歯を強くしたい人

おさらい

堀川ごぼうは太く、皮がひび割れており、根の先端が広がっている

太い胴部分が柔らかく味がしっかり染み込み、香りが高いことから、煮物や肉、魚との相性が良い

食物繊維、ビタミン、カルシウムが豊富で、便秘解消や免疫力の向上、丈夫な骨をつくる効果がある


参考文献

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)

・まるごと京野菜 からだがよろこぶ京都ブランド(発行所 株式会社 青幻舎)


カテゴリーに戻る

関連記事