きんかんは中国原産の柑橘類で、薄く甘い皮ごと食べられるのが特徴です。果皮にはビタミンC、ビタミンB1、ビタミンE、β-カロテンなどの栄養が豊富で、特にビタミンCはレモンに匹敵します。また、スジや袋にはフラボノイドの一種「ヘスペリジン」が含まれており、動脈硬化や心筋梗塞の予防に役立つとされています。ビタミンCにはメラニンの生成を抑える働きがあり、美肌効果も期待できます。さらに、きんかんは粘膜の炎症を鎮める働きがあるとして、昔から喉の不調に用いられてきた食材です。
きんかんとは?
きんかんは中国原産の柑橘類で、果皮に甘みがあり、薄くなめらかなことから皮ごと食べられるのが特徴です。皮には栄養が多く含まれ、レモンに匹敵するビタミンCのほか、ビタミンB1、ビタミンE、β-カロテンなどが豊富です。また、スジや袋の部分にはビタミンPとも呼ばれるフラボノイドの一種「ヘスペリジン」が含まれています。
ヘスペリジンは動脈硬化や心筋梗塞の予防に役立ち、ビタミンCはメラニン色素の沈着を抑えて美肌づくりをサポートします。民間療法では、粘膜の炎症を鎮める働きがあるとして、昔から喉の不調に利用されてきました。
■調理との組み合わせ方
きんかんは皮が甘く柔らかいため、皮と果肉を一緒に食べられるのが魅力です。生食もできますが、砂糖や蜂蜜でシロップ漬けにしたり、ジャムやマーマレードに加工すればさまざまな料理に活用できます。鶏肉や豚肉の煮込みに加えると、肉が柔らかくなり、香りや酸味が加わって風味が良くなります。
■選び方
表面に張りと艶があり、ヘタが枯れていないもの、実がしまっていて重量感のあるものを選びましょう。
■保存方法
保存は冷蔵庫の野菜室が適していますが、低温障害を起こすことがあるため、冷やしすぎには注意しましょう。冷暗所であれば常温でも1週間ほど保存できます。
きんかんの効果
■老化を防ぐ
きんかんに含まれるビタミンCは、抗酸化作用が強く体内の酸化を抑制する働きがあります。
■シミを防ぐ
年齢を重ねると、皮膚や血管、臓器に老人斑として知られる老化色素であるリポフスチンが増加する傾向があります。しかし、きんかんに含まれるビタミンEの摂取により、皮膚にリポフスチンが蓄積されず、シミの形成を防ぐことができます。
■腸内環境を整える効果
きんかんに含まれる食物繊維は、腸内に溜まった老廃物や有害物質を吸着し、体外へ排出する働きがあります。また、腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌を増やす働きもあるため、腸内細菌のバランスが良くなり、腸内環境の改善に役立ちます。
腸内環境が整うことで、便秘の予防や改善にも効果が期待できます。
こんな方におすすめ
●老化が気になる人
●美肌になりたい人
●腸内環境を整えたい人
おさらい
●きんかんは中国原産の柑橘類で、薄く甘い皮ごと食べられるのが特徴
●果皮にはビタミンC、ビタミンB1、ビタミンE、β-カロテンなどの栄養が豊富で、特にビタミンCはレモンに匹敵する
●きんかんは粘膜の炎症を鎮めるとして、昔から喉の不調に用いられてきた食材

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
・春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)

















