京たけのこは、色が白く、肉質がやわらかく、独特の風味があり、えぐみも少ないのが特長です。品質の高さと味の良さで全国に名高く、とりわけ京都市西京区や向日市、長岡京市、大山崎町などの西山一帯で取れるたけのこは日本一との評価を得ています。

江戸時代初期に禅僧が唐から孟宗竹を持ち帰り、長岡京市奥海印寺や宇治黄檗萬福寺に植えられたことが京たけのこ栽培の始まりとされます。京都のたけのこがおいしいのは、適した土壌や気候に恵まれ、手作業による丹念な管理が行われているからだと言われています。

煮物から天ぷら、焼き物、酢の物など、多彩な楽しみ方ができます。新鮮なものは刺身にして味わうこともできます。皮ごと下茹でしてアクを取ることが調理のポイントです。

京たけのこには食物繊維が豊富に含まれており、便秘解消や大腸がんの予防に効果が期待されます。また、タンパク質やカリウム、亜鉛などのミネラルやビタミンも多く含まれています。アミノ酸の一種、チロシンも豊富です。

■京たけのこの選び方

朝堀がおすすめ。淡黄色の「白子」と言われるものは希少です。

■調理方法

たけのこは、掘り出してから時間が経つにつれてえぐみが増すので、早めに下茹でしてアクを抜きましょう。朝堀りのものなら、茹で時間も短くて済みます。

■若竹煮

茹でたたけのことワカメをたっぷり出汁で炊いたもの。

■たけのこご飯

ご飯の水加減を少し多めにし、たけのこと塩、好みで淡口醤油を入れて炊く。

■京たけのこの天ぷら

茹でたたけのこに衣をつけてカラッと揚げる。炊いて味のついた、たけのこを揚げるのもおすすめ。

■木の芽和え

茹でたたけのこを白味噌、木の芽、砂糖を合わせすった和え衣で和える。

■成長期の子供に

京たけのこに含まれるチロシンは、皮膚や髪の黒色色素のメラニン、甲状腺ホルモンのチロキシンとトリヨードチロシンの原料になります。不足すると、エネルギー代謝や循環機能の低下、乳幼児期では成長発育障害、精神知能の発育遅延がみられます。

■むくみの防止に

ヒトの体は約60％が水分でできており、水分が細胞と血管の間を循環しています。ナトリウムの過剰摂取やカリウムの不足などにより、体内の水分バランスが崩れてしまうとむくみにつながることがあります。京たけのこに含まれるカリウムを摂ることで、体内の水分バランスが調整され、むくみの予防や改善が期待できます。

■便秘の改善に

京たけのこに含まれる食物繊維は、腸内に溜まった不要な老廃物や有害物質を吸着し、体外へ排出する働きがあります。また、腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌を増やす働きもあるため、腸内細菌のバランスが良くなり、腸内環境の改善に役立ちます。

腸内環境が整うことで、便秘の予防や改善にも効果が期待できます。

●成長期の子ども

●むくみが気になる人

●便秘で悩んでいる人