京北地域で育った「京こかぶ」は、肉質が緻密で柔らかく、繊細な甘さが特徴的で、京料理には欠かせない食材です。京都市右京区京北地域では約40年前から「京こかぶ」が作られるようになり、平成19年には「京のブランド産品」に認定されました。春作と秋作の年2回、栽培が行われ、小ぶりで丸ごと使えます。根にはビタミンCやカリウムが、葉にはビタミンB1やビタミンB2、カロテン、カルシウムなどが含まれ、栄養価が高いです。
京こかぶとは?
寒暖の差が激しい京北の地で育った「京こかぶ」。肉質は緻密で柔らかく、繊細な甘さが特徴で、かぶら蒸しなどの京料理には欠かせない食材です。日本におけるかぶの歴史は古く、『日本書紀』の持統帝7年(693)に既にかぶが栽培されていることが記載されています。江戸時代には重要な農作物として国内各地で栽培されるようになり、今日までさまざまな品種が生まれました。京都市右京区京北地域は山間にあり、ここでは夏は涼しく昼夜の寒暖差が大きい気候・風土を生かし、約40年前から「京こかぶ」が作られるようになりました。
葉の緑と鮮やかなコントラストをなす白肌の小さなかぶで、美しい球形をしています。その品質の高さが認められ、平成19年に「京のブランド産品」に仲間入りしました。京北地域では、春作と秋作の年2回、栽培が行われています。小ぶりで丸ごと使え、煮炊きや漬物はもちろん、サラダや炒め物など、和洋を問わずさまざまな料理に応用できます。葉も細かく刻んでスープの実やふりかけ、サラダなどに活用できます。
根の部分には主にビタミンCやカリウムが含まれ、葉の部分にはビタミンB1やビタミンB2、カロテン、カルシウムなどが多く含まれます。栄養価を高めるために、根も葉も一緒に食べましょう。
■京こかぶの選び方
根が締まって形が良くて、傷がないもの。
■調理方法
京こかぶは年に2回収穫されますが、夏場のかぶは柔らかいため、酢漬けや糠漬けなどに適しています。冬のかぶは甘みを増すため、煮物にするのがおすすめです。
■京こかぶの甘酢漬け
にんじんと一緒に適当な大きさにきり、塩でもむ。水気を絞って甘酢を漬ける。
■京こかぶとサーモンのマリネ
皮を剥いて薄くスライスし、スモークサーモンと一緒にマリネ液※に漬ける。
※お酢とオリーブオイル、砂糖、塩などを混ぜ合わせたもの。
■京こかぶの鶏そぼろあんかけ
かぶを合わせ調味料※で煮含め、鶏のひき肉と生姜を入れたあんをかける。
※砂糖や醤油、酢などの基本調味料を混ぜ合わせたもの。
■京こかぶと牛すじ肉の煮込み
牛すじ肉とくし型に切ったかぶをそれぞれ茹でた後、合わせ調味料※で煮込む。
※砂糖や醤油、酢などの基本調味料を混ぜ合わせたもの。
京こかぶの効果
■老化の防止に
京こかぶに含まれるビタミンCには、抗酸化作用が強く体内の酸化を抑制する働きがあります。
■むくみを予防・改善に
ヒトの体は約60%が水分でできており、水分が細胞と血管の間を循環しています。ナトリウムの過剰摂取やカリウムの不足などにより、体内の水分バランスが崩れてしまうとむくみにつながることがあります。京こかぶに含まれるカリウムを摂ることで、体内の水分バランスが調整され、むくみの予防や改善が期待できます。
■骨や歯を強くする
京こかぶに含まれるカルシウムは、強い骨や歯をつくり、体を支える重要な働きがあります。また、吸収したカルシウムを効率良く骨に利用させるためには、適度な運動を行い、骨に負荷を与えることも重要です。
こんな方におすすめ
●老化が気になる人
●むくみが気になる人
●骨や歯を強くしたい人
おさらい
●京こかぶは、肉質が緻密で柔らかく、繊細な甘さが特徴的で、京料理には欠かせない食材
●春作と秋作の年2回、栽培が行われ、小ぶりで丸ごと使える
●根にはビタミンCやカリウムが、葉にはビタミンB1やビタミンB2、カロテン、カルシウムなどが含まれ、栄養価が高い
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