からし菜はアブラナ科の野菜で、ピリッとした辛味と香りが特徴です。辛味成分のシニグリンは、食欲増進や免疫力向上、がん予防に効果が期待される抗酸化成分です。栄養面では、ビタミンAをはじめとする抗酸化ビタミン、鉄の吸収を助けるビタミンC、造血に関与する葉酸、骨の健康に関わるビタミンKやカルシウムが豊富で、貧血や骨粗しょう症予防に役立ちます。
調理法としては、塩漬けのほか、おひたしや炒め物が適しています。加熱しすぎると辛味が損なわれるため注意が必要です。選ぶ際は、葉に光沢があり、茎が細めで柔らかいものが良いでしょう。保存は湿らせた新聞紙で包み、冷蔵庫の野菜室で立てて保管します。
からし菜とは?
からし菜は、舌先にピリッとくる辛味と刺激的な香りをもつアブラナ科の野菜です。辛味成分は含硫化合物のシニグリンで、料理にアクセントを加えて食欲を増進させるだけでなく、免疫力向上やがん予防の効果も期待される抗酸化成分です。
主要栄養素としては、からし菜をはじめとするアブラナ科の植物には、ビタミンAを筆頭に複数の抗酸化ビタミンが豊富に含まれており、がんや動脈硬化などの生活習慣病を防ぐ要素が詰まっています。
さらに、赤血球の生成を助ける葉酸、造血に必要な鉄分、鉄の吸収を高めるビタミンCも極めて豊富です。骨の健康と深い関わりをもつビタミンKやカルシウムも多く含まれており、貧血がちな方や骨粗しょう症が心配される年配の女性にとっても強い味方となるでしょう。
■調理との組み合わせ
塩漬けで食べるのが一般的ですが、市販品は塩分が多い傾向があるため、他の野菜と炒めて塩味を調整するとよいでしょう。また、さっと茹でておひたしにしたり、炒め物にするのもおすすめです。加熱しすぎると辛味や香りが失われるため、注意が必要です。
ビタミンCや葉酸などの水溶性ビタミンも多く含まれているため、水にさらしすぎないよう気をつけましょう。
■選び方
葉にみずみずしい光沢があり、濃い緑色をしたものを選びましょう。茎が太すぎると葉が固い場合があるため、細めで柔らかいものがおすすめです。
■保存方法
水で濡らした新聞紙などで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に立てて保存しましょう。
からし菜の効果
■骨の形成を助ける
からし菜に含まれるビタミンKには、腸から吸収されたカルシウムを骨に取り込む働きがあります。成長期の骨の形成だけではなく、骨粗鬆症の予防にもなります。
■貧血を予防する効果
赤血球は約4か月で生まれ変わるため、体内では常に新しい赤血球がつくられています。葉酸は赤血球のもととなる赤芽球をつくることに関与しており、赤芽球が正常につくられないと赤血球も正常につくられません。からし菜に含まれる葉酸を摂取することは、正常な赤血球をつくることに役立ち、貧血の予防にもなります。
また、葉酸が不足することで起こる貧血は巨赤芽球性貧血(悪性貧血)といいます。
■免疫力を高める
からし菜に含まれるビタミンCは、身体の中に入ってくるウイルスを排除しようとする働きがある「白血球」を強化してくれます。それだけではなく、自らもウイルスを排除しようとする働きがあります。風邪が流行する時期には、ビタミンCを摂取することをおすすめします。
こんな方におすすめ
●骨や歯を強くしたい人
●貧血が気になる人
●免疫力を高めたい人
おさらい
●からし菜はアブラナ科の野菜で、ピリッとした辛味と香りが特徴
●辛味成分のシニグリンは、食欲増進や免疫力向上、がん予防に効果が期待される抗酸化成分
●ビタミンKやカルシウムも多く含まれており、貧血がちな方や骨粗しょう症が心配される方の強い味方
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
・春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)