ゆりねはでんぷんが主成分で、ほっくりとした食感とかすかな甘味、ほろ苦さが特徴です。ミネラルが豊富で、中でもカリウムは体内の水分バランスを整えて利尿を促進し、高血圧の予防に役立ちます。水溶性食物繊維も多く、糖やコレステロールの排泄を助け、糖尿病や肥満の予防にも効果的です。
ゆりねとは?
ゆりねはでんぷんを主成分とし、かすかな甘味とほろ苦さ、ほっくりとした食感が特徴です。昔から滋養強壮の薬としても重宝され、中国や韓国でも薬用効果が知られてきました。
栄養面ではミネラルが豊富で、中でもカリウムはナトリウムとともに細胞の働きを支え、塩分過多時にはナトリウムを排出して体内の水分バランスを整えます。そのため、利尿作用を高め、高血圧予防に役立つとされています。
また、水溶性食物繊維を多く含み、コレステロールや糖の排出を助け、糖尿病や肥満の予防に役立ちます。
■調理との組み合わせ
ビタミンB1は筋肉疲労だけでなく神経のイライラを鎮める作用があり、クエン酸を多く含む梅肉との組み合わせでストレス対策に効果的です。硫化アリルを含む長ねぎやにらとも相性が良く、ほろ苦さが気になる場合は軽く下茹でして含め煮にすると食べやすくなります。
■選び方
色が白く実がしまったものを選びましょう。紫がかったものは苦味が強く、片鱗が大きいものほどホクホクした甘みが味わえます。
■保存方法
おがくずに詰められて販売されることが多く、そのまま冷蔵庫の野菜室で保存すれば1〜2か月持ちます。
ゆりねの効果
■高血圧を予防する効果
ナトリウムは体にとって必要なミネラルですが、摂り過ぎると高血圧の原因になります。
ゆりねに含まれるカリウムは、過剰なナトリウムを尿として排出する働きを促すため、高血圧の予防に効果があります。
■コレステロール値を下げる効果
ゆりねに含まれる水溶性食物繊維には、吸着性があるため、胆汁酸が腸管内で吸収されるのを防ぐ働きがあります。胆汁酸は肝臓でコレステロールを原料としてつくられるので、胆汁酸の排出を促進することで、結果的にコレステロール値の低減に役立ちます。
不溶性食物繊維にも胆汁酸の排出を促進する働きがあるので、血中のコレステロール値を下げる効果があります。
■血糖値を抑える効果
水溶性食物繊維は粘度が高く、一緒に食べたほかの食べ物と混ざることでゼリー状になり、小腸までゆっくり進みます。小腸での糖質の吸収速度が穏やかになるため、食後の急激な血糖値の上昇を抑える効果があります。
■貧血を予防する効果
赤血球は約4か月で生まれ変わるため、体内では常に新しい赤血球がつくられています。葉酸は赤血球のもととなる赤芽球をつくることに関与しており、赤芽球が正常につくられないと赤血球も正常につくられません。ゆりねに含まれる葉酸を摂取することは、正常な赤血球をつくることに役立ち、貧血の予防にもなります。
こんな方におすすめ
●高血圧が気になる人
●コレステロール値や血糖値が気になる人
●貧血が気になる人
おさらい
●ゆりねはでんぷんが主成分で、ほっくりとした食感とかすかな甘味、ほろ苦さが特徴
●カリウムが豊富で、体内の水分バランスを整え、利尿作用を高め高血圧予防に役立つ
●水溶性食物繊維も多く、糖やコレステロールの排泄を助け、糖尿病や肥満の予防にも効果的
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
・春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)