豚肉は食肉の中でも特にビタミンB1を豊富に含んでおり、その量は牛肉の約10倍です。ビタミンB₁は糖質を効率よくエネルギーに変えて、疲労回復に役立つ栄養素です。

他にも良質なたんぱく質をはじめ、脂質にはコレステロール値を下げる働きのあるオレイン酸、ビタミンB、ビタミンB6、鉄など健康維持に必要な栄養素が含まれます。



豚肉とは?

豚肉の代表的な品種は、ランドレース種、大ヨークシャー種、バークシャー種、デュロック種、ハンプシャー種の5品種で、最も流通量が多いのはランドレース種と大ヨークシャー種です。

三元豚とは異なる3品種を交配した豚のことで、繁殖性、産肉性、肉質のバランスが優れています。

黒豚は、国産・外国産を問わずバークシャー純粋種のみが黒豚と表示することができます。普通の豚は180日前後で出荷されますが、黒豚は発育が遅く240日前後かかります。

 

豚肉は寄生虫の恐れがあるため、生食はできず、しっかり加熱をする必要があります。

SPF(特定病原体不在)豚は、帝王切開し、無菌状態でとり出した子豚を種豚にして、衛生的な環境で育てた安全性の高い健康な豚です。肉質がやわらかく、臭みがないのが特徴です。ただし無菌豚ではないため、SPF豚もしっかり加熱をする必要があります。

 

豚肉のレシピといえば、しょうが焼きやとんかつ、カレー、角煮、酢豚、豚汁、ひき肉にして餃子など、種類が豊富です。

豚肉の部位としては、ネック、かた、かたロース、ロース、ヒレ、ばら、もも、そとももなどがあります。それぞれに特徴があることから、料理に合わせて部位を使い分けるのがおすすめです。

 

豚肉の選び方

ツヤのある淡いピンク色をしているもの、脂肪は白色か乳白色で適度に粘りのあるものを選びましょう。赤身と脂肪の境目がはっきりしているものほど新鮮です。肉汁(ドリップ)が出ているものは避けましょう。

脂質が気になる人は、ももやヒレなど、脂肪分の少ない部位を選ぶようにしましょう。

 

豚肉の保存方法

購入後は冷蔵保存し、できるだけすぐに食べるようにしましょう。すぐに食べない場合は1回分ずつ使い切れる量に小分けし、ラップに包んで保存袋に入れて冷凍保存しましょう。

豚肉の効果

疲労回復効果

豚肉に含まれるビタミンB1含有量は、食品の中でもトップクラスで、ヒレの場合牛肉の約10倍も含まれます。

ビタミンBは糖質を効率よくエネルギーに変えることから、疲労回復のビタミンといわれています。糖質はビタミンB1がないと、スムーズに代謝できません。使われなかった糖質は、疲労のもとである乳酸となって体内に残ってしまいます。ビタミンB1には糖質の代謝を高めて、疲労物質がたまるのを防ぐ働きがあります。

疲れやすい、疲れがとれないなどの夏バテの時にも、ビタミンB1を豊富に含む豚肉がおすすめです。

 

精神を安定させる効果

ビタミンB1は、糖質からエネルギーをつくることを助けるため、脳神経の働きを正常に保つ働きがあります。ビタミンB1が不足し、エネルギーが不足するとイライラしやすくなり、集中力が低下します。

 

筋力の低下を防ぐ効果

筋肉のもととなるたんぱく質は分解と合成を繰り返しながら一定量を保っているため、たんぱく質が不足すると筋肉を維持することができません。

また、たんぱく質は体内で1gあたり4kcalのエネルギーを生み出し、活動するためのエネルギー源にもなります。

こんな方におすすめ

疲労を感じている人

ストレスが気になる人

筋力を維持したい人

おさらい

豚肉は寄生虫の恐れがあるため、生食はできず、しっかり加熱をする必要がある

糖質を効率よくエネルギーに変えて、疲労回復に役立つビタミンB1を豊富に含む

良質なたんぱく質が含まれ、体をつくるもとになる


参考文献

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)

・かしこく摂って健康になる くらしに役立つ栄養学(発行所 株式会社ナツメ社)

・日本食品標準成分表2020年版(八訂)

・全国食肉事業協同組合連合会


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