じゃがいもは、炭水化物のでんぷんが主成分ですが、いも類ではエネルギーが低く、満腹感を得やすいため、ダイエットに適している食材です。豊富なカリウムは体内のナトリウムのバランスをとり、血圧を安定させ、むくみを改善するなどの働きがあります。その栄養価の高さから、フランスでは「大地のりんご」と呼ばれているそうです。
でんぷん質がビタミンCを保護するため、加熱しても損失しにくいのが大きな特徴です。ビタミンCはコラーゲンの合成に必要な栄養素であり、美肌効果があります。また、高い抗酸化作用により免疫力の向上にも寄与します。夏風邪を予防したり、暑さからくるイライラや夏バテを軽減します。皮に含まれるポリフェノールの一種であるクロロゲン酸にはがんの予防効果がありますが、皮の緑色部分や発芽部分には有害物質であるソラニンが含まれているため、取り除きましょう。
じゃがいもとは?
じゃがいもはビタミンCが豊富で、100g中に28mg含まれているため、いも類の中でもトップクラスの含有量です。さらに、じゃがいものビタミンCは加熱しても壊れにくいという特徴もあります。これは、熱が加わるとでんぷんが糊化し、ビタミンCを包み込んで損失を防ぐからです。また、じゃがいもにはビタミンB1、ビタミンB2、カリウムなども含まれています。
■カリウムの働き
じゃがいものビタミンCには、炎症を抑えて粘膜を丈夫にする働きがあるので、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の改善に役立ちます。また、下痢や消化不良、アレルギーにも効果があります。さらに、じゃがいもに豊富に含まれているカリウムは、余分な塩分を排出して高血圧を防ぎ、腎臓病や膀胱炎にも効果があり、疲労回復にもおすすめです。じゃがいものエネルギーは100gあたり51kcalで、さつまいもの127kcalに比べるとかなり低くなっています。
■選び方
皮にハリがあり、シワや傷のないものを選ぶようにしましょう。また、芽や皮が緑色に変色している部分には、有害物質であるソラニンが含まれているため、取り除いてから食べるようにしましょう。
■調理との組み合わせ
味が淡白で、どんなレシピとも合わせやすいじゃがいも。含まれるビタミンCには鉄の吸収を助ける働きがあり、貧血を予防したい場合には、レバーソテーにじゃがいもを添えたり、ひじきと炊き合わせたりするなどの食べ方が適しています。また、ビタミンB1を豊富に含むベーコンや豚肉などと組み合わせれば、摂取しにくいビタミンB1の供給源となり、疲労回復にもつながります。
じゃがいもの効果
■血圧を安定させる
じゃがいもに含まれるカリウムには、血圧を安定させる役割があります。
■抗酸化作用
じゃがいもに含まれるビタミンCの抗酸化作用には、細胞の老化を防ぎ、コラーゲンの合成を促して美肌効果につながります。また免疫力を高める働きもあります。
こんな方におすすめ
●高血圧が気になる人
●美肌になりたい人
●免疫力を高めたい人
おさらい
●炭水化物のでんぷんが主成分だが、いも類ではエネルギーが低く、満腹感を得やすい
●カリウムが豊富に含まれていて、体内のナトリウムのバランスをとり、血圧を安定させる
●抗酸化作用があるビタミンCも含まれていて、美肌効果や免疫力の向上に働く
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
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