お米は、日本人が主食としている穀物です。脳や体のエネルギー源となる糖質(炭水化物)を豊富に含み、手軽にエネルギー補給ができるため、脳や体の働きを活発にしてくれます。
玄米の状態が一番栄養価が高く、精米の加減で食べやすくなるとともに、玄米に比べると栄養価が低くなります。
お米とは?
お米には、もち米とうるち米があり、うるち米はさらに精米の加減によって、玄米、胚芽精米、精白米、半つき米、七分つき米などに分けられます。
玄米は、籾から籾殻だけを取り除いたもので、糠や胚芽が残っているためビタミンやミネラル、食物繊維などを豊富に含みます。特に多いのがビタミンB群で、糖質の代謝を促すビタミンB1は精白米の約5倍含まれています。食物繊維を精白米の約6倍含むほか、抗酸化作用のあるビタミンEやフィチン酸、イノシトール、γ-オリザノール、不飽和脂肪酸のリノール酸、ポリフェノールのフェルラ酸など、様々な栄養成分が含まれています。
食物繊維が多いため、ややかたい食感で消化・吸収がよくありませんが、よく噛むことで満腹感を得やすく、腹持ちが良いため食べ過ぎの予防にも効果的です。
スーパーなどで見かける発芽玄米は、玄米を水に浸してわずかに発芽させたものです。発芽することで玄米に比べて表皮がやわらかくなり、精白米のように炊飯しやすくなります。
また、玄米より消化が良くなり、抗ストレス作用や生活習慣病の予防効果が期待されているGABAも増加します。
胚芽精米は玄米から糠を取って胚芽を残したものです。玄米よりも消化・吸収が良いため、玄米と精白米の良いところが合わさったお米です。
精白米は胚芽も糠も取り除いたものです。食べやすく消化・吸収が良いことから、主食としてよく食べられています。
お米の主成分は糖質であり、脳や体の働きを活発にしてくれる重要なエネルギー源です。
玄米がもっとも栄養価が高く、その後精米の加減によって食べやすくはなりますが、玄米に比べると栄養価は低くなります。
■お米の選び方
粒がそろっていて欠けのないものが良品です。精米日が新しいものを選びましょう。
玄米の場合は、できるだけ無農薬のものを選びましょう。
■お米の保存方法
風通しのよい冷暗所か冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。密閉容器に入れるとにおいが移らず、鮮度が保ちやすいです。
お米の効果
■脳を活性化する効果
お米に含まれる糖質は、消化・吸収をされたあとブドウ糖に分解され、血液を通じて体をめぐり、エネルギー源として利用されます。
糖質が重要なのは、脳や神経系、赤血球、筋肉などが活躍するための唯一のエネルギー源になるからです。ブドウ糖が不足して血糖値が下がると、これらの機能は低下してしまいます。特に脳が必要とするエネルギー量は基礎代謝量の約20%を占めますが、脳はブドウ糖を蓄えることができません。
朝からしっかり脳を働かせたい方は、朝食からお米などに含まれる糖質を摂ることがおすすめです。
■疲労回復効果
糖質を摂ることで素早くエネルギーの補給ができるので、運動をした後の疲労回復に役立ちます。
また、糖質はビタミンB1がないと、スムーズに代謝できません。使われなかった糖質は、疲労のもとである乳酸となって体内に残ってしまいます。ビタミンB1が疲労回復のビタミンといわれるのは、糖質の代謝を高めて、疲労物質がたまるのを防ぐからです。玄米にはビタミンB1が多く含まれているため、疲労回復には玄米を食べるのがおすすめです。
■高血圧を予防する効果
玄米や発芽玄米、胚芽精米などにある胚芽には、GABAが多く含まれています。GABAは血圧を下げる働きがあり、高血圧を予防する効果が期待できます。
こんな方におすすめ
●集中力を高めたい人
●疲労を感じている人
●高血圧が気になる人
おさらい
●玄米がもっとも栄養価が高い。精米することによって食べやすくなるが、玄米に比べると栄養価が低くなる。
●糖質を含み、脳の唯一のエネルギー源になる
●集中力の向上や疲労回復に役立つ
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
・最新版 栄養がわかる 体によく効く食材事典(発行所 株式会社学研パブリッシング)
・かしこく摂って健康になる くらしに役立つ栄養学(発行所 株式会社ナツメ社)
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
・e-ヘルスネット(厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト)