辛味だいこんは、おろし金でおろすと淡雪のように散るため「吹散だいこん」とも呼ばれています。形は丸く小さいこかぶに似ており、非常に辛いです。蕎麦の薬味によく合います。水分が少なく、肉質が硬く締まっている辛味だいこんは、つゆを薄めず、濁らせないため高級料理店でも使われています。また、LDL(悪玉)コレステロールを排出する作用があり、高血圧や動脈硬化の予防に効果があると言われています。



辛味だいこんとは?

辛味だいこんは、京都市内の洛北が原産地です。当初は標高179mの原谷で栽培され、その後、1600年代後半に京都市北区の鷹峰に移し植えられたとされ、少なくとも300年以上前から栽培されていました。船岡山麓にある今宮神社の祭礼では、神殿にこの辛味だいこんが供えられ、疫病除けや中風封じを願ったそうです。明治時代に入る頃までは、鷹峰一帯の農家で栽培されていましたが、昭和初期にはそれが10軒ほどに減少しました。

おろし金でおろすと、淡雪のように散ることから、「吹散だいこん」とも呼ばれています。辛味を生かして、蕎麦の薬味としても広く活用されています。辛味だいこんは、こかぶかと思われるような丸い小型のだいこんです。葉も切れ込みが少なく、かぶの葉に近い形をしています。名前の通り、非常に辛いだいこんで、水分が少ないため肉質は硬く締っています。高級料理店で利用される際は、つゆを薄めずに濁らせないことが重視されます。

また、LDL(悪玉)コレステロールを排出する作用があるとされ、高血圧や動脈硬化の予防に効果があると言われています。

 

辛味だいこんの選び方

根は張りがあり、ヒゲの少ないもの。葉は濃い緑でみずみずしいもの。

 

調理方法

辛味だいこんは、すりおろして1時間ほどは、その辛味が残ります。辛いもの好きな人は、たっぷりとすりおろし、蕎麦や鍋物、天ぷらなどの薬味として味わってください。

 

おろし蕎麦

辛味だいこんをすりおろして蕎麦にかけ、蕎麦つゆをかける。

 

豚肉のおろし和え

湯通しした豚肉に辛味だいこんのおろしをのせ、ポン酢をかける。

 

さつまあげのおろし添え

揚げたてのさつまあげに、辛味だいこんのおろしを添える。

辛味だいこんの効果

便秘の予防に

辛味だいこんに含まれる食物繊維は、腸内に溜まった不要な老廃物や有害物質を吸着し、体外へ排出する働きがあります。また、腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌を増やす働きもあるため、腸内細菌のバランスが良くなり、腸内環境の改善に役立ちます。腸内環境が整うことで、便秘の予防や改善にも効果が期待できます。

 

免疫力を高める

辛味だいこんに含まれるビタミンCは、身体の中に入ってくるウイルスを排除しようとする働きがある「白血球」を強化して、自らもウイルスを排除しようとする働きがあります。

 

胃もたれ、胸焼けに

辛味だいこんに含まれるジアスターゼという酵素には、食べすぎて疲れた胃腸の調子をととのえると言われています。

こんな方におすすめ

便秘で悩んでいる人

免疫力を高めたい人

胃もたれ、胸焼けが気になる人

おさらい

辛味だいこんは吹散だいこんとも呼ばれ、形状は丸く小さいこかぶのよう。

辛味だいこんに含まれるビタミンCは、身体の中に入ってくるウイルスを排除しようとする働きがある

辛味だいこんに含まれるジアスターゼという酵素には、食べすぎて疲れた胃腸の調子をととのえる。


参考文献

・うちの郷土料理> 長寿なます 福井県(農林水産省)

・まるごと京野菜 からだがよろこぶ京都ブランド(発行所 株式会社 青幻舎)


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