じゅんさいはスイレン科の水草で、水中の若い芽や茎を摘み取って食用にします。ゼリー状の粘液に包まれた葉の粘りが強いほど高品質とされ、初夏から真夏にかけて涼味を楽しめる山菜です。粘液は水溶性と不溶性の食物繊維を含み、血糖値や血圧の上昇抑制、コレステロールの排出など健康効果が期待されます。かつては解熱や利尿を目的に薬草としても用いられていました。



じゅんさいとは?

じゅんさいはスイレン科の水草の一種で、水中にある若い芽と茎の一部を摘み取って食用にします。若い葉はくるりと巻いた状態でゼリー状の粘液に包まれており、粘りが強いほど上質とされています。国内の主な産地は秋田、青森、北海道などで、初夏から真夏にかけて独特の歯ざわりと喉越しが涼を呼ぶ山菜として親しまれています。

特有の粘液は食物繊維の一種で、水に溶ける水溶性食物繊維と、水分を吸収して膨張する不溶性食物繊維が、ほぼ半々の割合で含まれています。水溶性食物繊維には血糖値や血圧の急激な上昇を抑える働きや、コレステロールの吸収を妨げて体外に排出する作用もあるとされています。民間療法では、解熱・利尿作用があるとされ、乾燥させたものを煎じて薬草として用いられてきました。

 

調理との組み合わせ方

ビン詰めのものはそのまま使えますが、生のものは熱湯にくぐらせたあと冷水に取り、色を鮮やかにしてから使いましょう。つるりとした喉越しが特徴なので、酢の物やお吸い物、みそ汁など、あまり手をかけずに楽しむのがおすすめです。天ぷらでも美味しく食べられます。

薬効に優れる生姜を薬味にして和え物に加えたり、ゼラチンで寄せてジュレにしたりすることで、喉越しの良さを生かした料理が楽しめます。

 

保存方法

ビン詰めは直射日光の当たらない場所で保存し、開栓後はなるべく早く食べきりましょう。

じゅんさいの効果

骨の形成を助ける

じゅんさいに含まれるビタミンKには、腸から吸収されたカルシウムを骨に取り込む働きがあります。成長期の骨の形成だけではなく、骨粗鬆症の予防にもなります。

 

コレステロール値を下げる効果

じゅんさいには、水溶性と不溶性の食物繊維が含まれます。

水溶性食物繊維には吸着性があるため、胆汁酸が腸管内で吸収されるのを防ぐ働きがあります。胆汁酸は肝臓でコレステロールを原料としてつくられるので、胆汁酸の排出を促進することで、結果的にコレステロール値の低減に役立ちます。

不溶性食物繊維にも胆汁酸の排出を促進する働きがあるので、血中のコレステロール値を下げる効果があります。

 

血糖値を抑える効果

じゅんさいに含まれる水溶性食物繊維は粘度が高く、一緒に食べたほかの食べ物と混ざることでゼリー状になり、小腸までゆっくり進みます。小腸での糖質の吸収速度が穏やかになるため、食後の急激な血糖値の上昇を抑える効果があります。

こんな方におすすめ

骨粗鬆症が気になる人

コレステロール値や血糖値が気になる人

おさらい

じゅんさいはスイレン科の水草で、水中の若い芽や茎を摘み取って食用にする

ゼリー状の粘液に包まれた葉には水溶性と不溶性の食物繊維が含まれる

血糖値や血圧の上昇抑制、コレステロールの排出など健康効果が期待できる


参考文献

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)

・春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)


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