クレソンはヨーロッパ原産で、清流の近くに自生するため「ウォータークレス」とも呼ばれます。彩りがよく肉料理の付け合わせに使われ、含まれる辛味成分シニグリンが口の中をさっぱりさせ、消化促進や食欲増進、胃もたれ防止にも効果があります。
栄養面では、抗酸化作用のあるβ-カロテンやビタミンCが豊富で、鉄の吸収を助けるほか、骨粗しょう症予防に役立つビタミンKも含まれています。また、ビタミンCは抗ストレスホルモンの生成を助け、ストレス対策にも有効です。さらに、ビタミンAが皮膚や粘膜を守り、肌荒れを防ぎます。
調理の際は、葉は生食、茎はスープやソテーに利用するとよいでしょう。ビタミンCの流出を防ぐため、水洗いや加熱は短時間で行うのが理想です。葉が濃い緑色で密生し、太くしっかりした茎のものを選びましょう。保存は水を張ったコップに挿し、早めに食べ切るのが望ましいです。
クレソンとは?
クレソンの原産地はヨーロッパで、清流の近くに自生することから、英語では「ウォータークレス」と呼ばれます。彩りがよく、肉料理の付け合わせに使われることが多いですが、クレソンに含まれる辛味成分シニグリンによるほろ苦さとツンとくる辛味が、口の中をさっぱりさせます。さらに、消化を促進し、食欲を高め、食後の胃もたれを防ぐ効果もあります。
ビタミンやカロテンを多く含み、特に抗酸化ビタミンのβ-カロテンやビタミンCが豊富です。ビタミンCには抗ストレス作用やコラーゲン生成の働きがあり、また、クレソンに多く含まれる鉄の吸収を促進するため、効率的に鉄を摂取できます。骨粗しょう症予防に役立つビタミンKも豊富です。
■調理との組み合わせ
肉料理の付け合わせやサラダには、主に葉の部分を使用しますが、茎にも多くの栄養が含まれています。茎は加熱すると甘みが増すため、スープやソテー、おひたしにするとよいでしょう。
水にも熱にも弱いビタミンCの流出を防ぐため、水洗いや加熱調理は短時間で行うのが理想です。
■選び方
葉が密生し、濃い緑色をしたものが良品です。茎は太くしっかりしているものを選びましょう。
■保存方法
茎の節からひげが生えているものは、歯ざわりが硬いことが多いため避けるのが無難です。保存する際は、水を張ったコップに挿し、早めに食べ切りましょう。
クレソンの効果
■ストレス対策に
ストレスが生じると、抗ストレスホルモンであるアドレナリンという副腎髄質ホルモンが分泌され、血圧を下げて血中の糖分を増やし、エネルギーの増産態勢を整えます。クレソンに含まれるビタミンCは、副腎髄質ホルモンの生成に関与し、エネルギーを増やすことに役立ちます。
反対にビタミンCが不足すると抗ストレスホルモンが十分に生成されず、ストレスに負けてしまいます。
■肌荒れ予防
クレソンに含まれるビタミンAは、皮膚や粘膜などの上皮細胞の形成や機能に重要な役割を果たしています。上皮細胞は体内に侵入する病原菌を防ぐ役割があり、ビタミンAが不足すると皮膚が乾燥し、肌荒れが生じる可能性があります。
■骨の形成を助ける
クレソンに含まれるビタミンKには、腸から吸収されたカルシウムを骨に取り込む働きがあります。成長期の骨の形成だけではなく、骨粗鬆症の予防にもなります。
こんな方におすすめ
●ストレスが気になる人
●肌の乾燥が気になる人
●骨粗鬆症が気になる人
おさらい
●クレソンはヨーロッパ原産で、清流の近くに自生するため「ウォータークレス」とも呼ばれる
●肉料理の付け合わせに使われ、含まれる辛味成分シニグリンが口の中をさっぱりさせ、消化促進や食欲増進、胃もたれ防止にも効果がある
●骨粗しょう症予防に役立つビタミンKを含み、またビタミンCはストレス対策に、ビタミンAが皮膚や粘膜を守り、肌荒れを防ぐ
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
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