ヨーグルトは牛乳などの原料乳に乳酸菌や酵母を加え、発酵させた発酵食品です。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内の善玉菌を増やし悪玉菌を減らす働きがあるため、腸内環境を整え、便秘の改善や美肌効果に役立ちます。
ヨーグルトとは?
ヨーグルトは原料乳に乳酸菌や酵母を加えて発酵させた発酵食品で、はっ酵乳といいます。
はっ酵乳の歴史は古く、人類が牧畜を始めた紀元前5000年頃、残しておいた羊の乳がいつの間にか酸味のあるさわやかな飲み物に変わっていたことが始まりです。古代人たちはこれを乳の保存法として取り入れ、その地方独特の利用方法で発展させてきました。
日本でも奈良時代には、酪、酥、醍醐という乳製品が貴族に珍重されていましたが、その中の「酪」はヨーグルトのようなものだったと推定されます。
明治時代に乳牛が輸入され牛乳の販売が始まり、1894年頃、売れ残った牛乳の処理として、牛乳を発酵させた「凝乳」が売り出されました。これが日本でつくられた最初のヨーグルトです。大正時代になると「ヨーグルト」という名称も使われるようになりましたが、当時は一部の人々だけに飲まれるか、病人食として重宝される程度でした。
ヨーグルトが本格的に生産され始めたのは戦後の1950年になってからです。最近では特定保健用食品のマークの付いたものや、機能性を追求したものなど種類も増えています。
ヨーグルトはそのまま食べたり、果物やナッツ類をトッピングしたりすることが多いですが、タンドリーチキンやサラダなどの料理に使用するレシピもおすすめです。
ヨーグルトは様々なタイプがありますが、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」のはっ酵乳に分類されます。成分規格は無脂乳固形分8.0%以上、乳酸菌数または酵母数が1,000万/mL以上と定められており、どのタイプでもたんぱく質やカルシウム、乳酸菌の効果は同等です。
ヨーグルトは大きく分けると3タイプあります。
食べるヨーグルト(糊状)は牛乳などを乳酸菌で発酵させただけのもので、プレーンヨーグルトといいます。寒天やゼラチンで固めたハードヨーグルト、フルーツを加えたデザート感覚のソフトヨーグルトもあります。
飲むヨーグルト(液状)は発酵後、固まったヨーグルトを攪拌し液状にしたドリンクヨーグルトです。甘味料、安定剤、果汁などを加えることもあります。
フローズンヨーグルト(凍結状)は、発酵したヨーグルトを攪拌しながら空気を混入して凍結させたもので、冷凍保存中も規格で定められた数の乳酸菌(1,000万/mL)は生きています。
■ヨーグルトの保存方法
10℃以下の冷蔵庫で保存しましょう。
ヨーグルトの効果
■腸内環境を整える効果
乳酸菌は乳酸をつくり出し、腸内を酸性にすることによって、悪玉菌の増殖を抑えて腸内環境を整えます。それにより、腸の働きが活発化され、消化・吸収を促すことで便通を改善する働きがあります。
■美肌効果
腸内環境が悪いと肌トラブルが起こりやすくなるとされています。
乳酸菌は悪玉菌の増殖を抑えて腸内環境を整えることから、肌トラブルを防ぎ、美肌効果が期待できます。
■丈夫な骨や歯をつくる効果
ヨーグルトに含まれるカルシウムは強い骨や歯をつくり、体を支える重要な働きがあります。カルシウムは吸収率の低い栄養素のひとつとされていますが、ヨーグルトは乳酸菌の働きにより、カルシウムが吸収されやすくなっています。
こんな方におすすめ
●腸内環境を整えたい人
●肌の調子が気になる人
●骨や歯を強くしたい人
おさらい
●ヨーグルトは牛乳などの原料乳に乳酸菌や酵母を加え、発酵させた発酵食品
●ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内の善玉菌を増やし悪玉菌を減らすため、腸内環境を整える働きがある
●腸内環境を整えることで、便秘の改善や美肌効果が期待できる
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
・かしこく摂って健康になる くらしに役立つ栄養学(発行所 株式会社ナツメ社)
・一般社団法人Jミルク
・一般社団法人日本乳業協会
・一般社団法人全国発酵乳乳酸菌飲料協会