フダンソウに含まれるβ-カロテンの量は3700μgであり、ほうれん草の4200μgに迫るレベルです。また、ビタミンB2、カリウム、鉄の含有量も小松菜を上回り、ビタミンやミネラルの豊富さは全野菜の中でもトップクラスです。β-カロテンやビタミンEには優れた抗酸化力があり、がんの抑制や高血圧の予防に効果的です。さらに、フダンソウには鉄や葉酸も多く含まれており、貧血がちな人にもおすすめです。



フダンソウとは?

フダンソウは、ほうれん草と同じアカザ科の青菜です。年間を通じて栽培が可能であり、いつでも食べることができるため、「普段草」とも呼ばれています。また、生長が旺盛で次々と新しい葉が生えてくることから「不断草」とも言われています。フダンソウは丈夫で葉の数も多く、何よりも栄養価が豊富なことが最大の特徴です。

フダンソウとは?

 

フダンソウの栄養素

厚みのある柔らかい葉と葉柄には、β-カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンE、ビタミンKなどのビタミン類が豊富に含まれています。これらの抗酸化作用により、がんや老化の予防効果が期待できるだけでなく、疲労物質の排出や体力の回復、ストレス軽減など、さまざまな健康効果が得られます。また、カリウム、カルシウム、マンガンなどのミネラル類に加え、鉄や食物繊維など、貧血予防や便秘解消に欠かせない栄養素も豊富に含まれています。フダンソウは夏の栄養補給に最適であり、健康バランスを保つためにもおすすめの野菜です。

 

フダンソウの各成分数値

食品成分 単位 フダンソウ/葉/
フダンソウ/葉/
ゆで
エネルギー kcal 17 26
水分 g 92.2 90.4
たんぱく質 g 2 2.8
脂質 g 0.1 0.1
炭水化物 g 3.7 5.4
灰分 g 1.9 1.2
食塩相当量 g 0.2 0.2
カリウム mg 1200 760
カルシウム mg 75 130
マンガン mg 3.6 4.85
βーカロテン μg 3700 3800
ビタミンK μg 180 220
ビタミンB1 mg 0.07 0.03
ビタミンB2 mg 0.23 0.11
ビタミンB6 mg 0.25 0.14
葉酸 μg 120 92
食物繊維 g 3.3 3.8
mg 3.6 2.1

※数値は可食部100g当たりに含まれる成分となります。

※参考:食品成分データベース(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)

 

調理との組み合わせ

フダンソウはほうれん草と同様にアクが強いため、サッと茹でてアク抜きをすることをおすすめします。おひたしからごま和えや汁の具、炒め物まで、さまざまなレシピで利用することができます。ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6など、三大栄養素の代謝を促進するビタミンがフダンソウには豊富に含まれています。そのため、タンパク質の多い食品である豆腐や油揚げ、肉、魚を使用した煮物や炒め物などとの組み合わせは、エネルギー代謝を促進するのに適しています。また、ビタミンB1はアリシンと一緒に摂ると吸収率が高まるため、少量のにんにくと一緒に摂取することも良いでしょう。

調理との組み合わせ

 

フダンソウの選び方

葉に勢いがあり、茎がしっかりしているもの。育ち過ぎているものより、やや小ぶりのものを選ぶ。

フダンソウの選び方

 

フダンソウの保存方法

冷蔵庫の野菜室で保存するが、鮮度が落ちるスピードが非常に速いので、なるべく早く食べるようにしましょう。

フダンソウの効果

疲労回復に

フダンソウの厚みのある柔らかい葉と葉柄には、β-カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンE、ビタミンKなどのビタミンが豊富に含まれています。これらのビタミンには疲労物質を排除し、体力の回復やストレスの軽減などの効果が期待できます。

 

貧血予防に

カリウム、カルシウム、マンガンなどのミネラル類のほか、貧血の予防に欠かせない鉄が含まれています。

 

便秘改善に

便秘の改善に効果的な食物繊維も豊富に含まれています。

こんな方におすすめ

疲労を回復したい人

貧血が気になる人

便秘で悩んでいる人

おさらい

フダンソウは、ほうれん草と同じアカザ科の青菜で、葉数が多く栄養素が豊富

厚みがあって柔らかい葉と葉柄には、抗酸化作用のあるビタミン類が多く疲労回復に役立つ

貧血の予防に欠かせない鉄、便秘の改善に効果的な食物繊維も豊富


参考文献

・実用版オールカラー 食品図鑑(発行所 女子栄養大学出版部)

・春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)


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