ずいきはサトイモの葉柄で、乾燥品の「いもがら」や夏~秋に出回る生の「はすいも」などが食用にされます。酢漬けや酢味噌和えとして親しまれます。カリウムやマンガンなどのミネラルを豊富に含み、特にマンガンは代謝や骨の健康に関与します。不溶性食物繊維も多く、腸内環境の改善や便秘解消に効果があります。



ずいきとは?

ずいきは、サトイモの一品種の葉柄を食用にするもので、乾燥品の「いもがら」を戻して使うのが一般的です。夏から秋にかけては、ずいき専用の品種である「はすいも」などの生鮮品も出回り、酢漬けや酢味噌和えなどで楽しまれます。

栄養面では、カリウム、カルシウム、マンガン、亜鉛などのミネラル類を豊富に含んでいるのが特徴です。中でもマンガンは、糖質や脂質の代謝に関わる酵素の構成成分となるほか、骨の形成や分解といった骨代謝を促す働きがあります。

また、不溶性食物繊維も比較的多く含まれており、腸の蠕動運動を促進することで便通を改善し、腸内環境の整備や便秘の解消に役立ちます。

 

調理と組み合わせのコツ
生のずいきはアクが強いため、調理前にアク抜きの下ごしらえが必要です。皮を剥いて食べやすい大きさに切り、30分ほど塩水にさらした後、酢を少々加えた湯でさっと下茹でしましょう。水溶性の栄養素を含むため、煮物に使う場合は、だしをしっかりきかせて煮汁ごといただくと効果的です。

茹でたずいきは、ごまで和えるだけでなく、β-カロテンが豊富なにんじんや、ビタミンEを多く含む豆類などと組み合わせると、より栄養バランスの取れた一品になります。

 

選び方
生のものは泥付きのほうが鮮度が長持ちしやすく、緑色に変色しているものはアクが強いので避けましょう。

 

保存方法
保存する際は新聞紙などに包み、日の当たらない風通しの良い場所に置きましょう。ずいきは乾燥に弱いため、冷蔵庫での保存は避けてください。下ごしらえしたものは冷凍保存も可能です。

ずいきの効果

成長期の子供に

ずいきに含まれるマンガンは、補酵素として機能し、多くの酵素の活性化に働きます。

たとえば、成長期の子供が骨を形成する際には、マンガンを補酵素とする酵素が必要とされます。これにより、骨や関節を強化する結合組織を形成することができます。成長期においてマンガンが不足すると、子供の発育不全のリスクがあります。また、マンガンは糖質、脂質、タンパク質の代謝に関与する多くの酵素の構成成分となっており、タンパク質の合成やエネルギー産生にも必要なミネラルです。

 

高血圧を予防する効果

ナトリウムは体にとって必要なミネラルですが、摂り過ぎると高血圧の原因になります。

ずいきに含まれるカリウムは、過剰なナトリウムを尿として排出する働きを促すため、高血圧の予防に効果があります。

 

腸内環境を整える効果

ずいきに含まれる食物繊維はともに、腸内に溜まった老廃物や有害物質を吸着し、体外へ排出する働きがあります。また、腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌を増やす働きもあるため、腸内細菌のバランスが良くなり、腸内環境の改善に役立ちます。

腸内環境が整うことで、便秘の予防や改善にも効果が期待できます。

こんな方におすすめ

成長期の子ども

高血圧が気になる人

便秘で悩んでいる人

おさらい

ずいきは、サトイモの一種の葉柄を食用にしたもの

カリウムやマンガンなどのミネラルを豊富に含み、特にマンガンは代謝や骨の健康に関与する

食物繊維も多く、腸内環境の改善や便秘解消に効果がある


参考文献

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)

・春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)


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