先日の健康診断で中性脂肪が高めと言われたため心配です。

普段の生活習慣に原因があると考えられます。一緒に対策も見ていきましょう!



中性脂肪の数値が高いと起こるリスクとは?

中性脂肪とは?

中性脂肪は、肉や魚・食用油など食品中の脂質や、体脂肪の大部分を占める物質です。別名、トリグリセリドとも呼ばれます。

中性脂肪は重要なエネルギー源ですが、摂り過ぎると体脂肪として蓄えられて肥満を招き、生活習慣病を引き起こす可能性が高まります。

中性脂肪は脂質として摂取する以外にも、糖質の摂り過ぎにより余ったエネルギーが体脂肪に変換されるため、糖質の摂取にも注意が必要です。

 

気になる中性脂肪の正常値は?

中性脂肪の基準値は30~149mg/dLです。中性脂肪は食後30分後から上昇し、4~6時間後に最も高い数値を示します。そのため検査時は食事による変動が影響しないように、約10時間以上の絶食状態である早朝空腹時が適しています。

 

血液中の中性脂肪が150mg/dL以上になると、脂質異常症の高トリグリセライド血症と診断されます。中性脂肪の数値はメタボリックシンドロームの診断基準にも用いられます。中性脂肪の血中濃度の異常は、動脈硬化の促進と関連しているため、早めの対策が重要です。

中性脂肪対策の基本は食事と運動

中性脂肪対策の基本は、「食事」と「運動」です。

まずは継続することが大切なので、できることから始めてみましょう。

中性脂肪が高くなりやすい習慣を簡単チェック







当てはまる方は対策法も確認しましょう!

食べ過ぎ、飲み過ぎには気を付けて

腹八分目にする

食べ過ぎによってエネルギーが余ると中性脂肪として蓄積され、肥満になる可能性があります。肥満になると中性脂肪の合成が促進されます。肥満を防ぐためにも、腹八分目を心がけましょう。

 

脂質を摂りすぎない

牛肉や豚肉を食べる時には、バラ肉よりもモモ肉やヒレ肉を、鶏肉を食べる時は皮を食べないようにするだけでも脂質を減らすことができます。調理では揚げる・炒めるなどではなく、蒸す・茹でる・焼くといった調理法に変更すると、余分な油を落とせます。

 

肉類よりも魚類を積極的に摂る

肉類や乳製品に多い動物性脂肪には飽和脂肪酸が含まれています。飽和脂肪酸を摂り過ぎると、中性脂肪が増える原因になります。

一方、魚類に多い動物性脂肪には不飽和脂肪酸が含まれています。特に青魚(サバ、イワシ、アジなど)には不飽和脂肪酸のDHAやEPAが多く含まれています。不飽和脂肪酸には、中性脂肪を減らす働きがあるため、肉類が中心の食生活の場合は、青魚を積極的に摂取しましょう。

 

植物性たんぱく質や食物繊維を摂る

大豆製品などに多く含まれる植物性たんぱく質には、中性脂肪を減らす働きがあります。

また、食物繊維には、余分な中性脂肪が腸内で吸収されるのを妨げ、排出を促す働きがあります。食物繊維を含む野菜類や海藻類、きのこ類を積極的に摂取しましょう。

 

アルコールや甘いものは控えめに

アルコールの飲み過ぎは中性脂肪を増やしやすいので注意しましょう。1日当たりの目安はビールなら500ml1缶、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯程度です。

菓子類には糖質や脂質が多く含まれていたり、清涼飲料水などのジュースには糖質が含まれています。間食する場合は、量を調整し、摂り過ぎに注意しましょう。

大きな筋肉をダイナミックに動かす

運動をすることで、脂肪を効率よくエネルギーとして消費しやすくなります。

運動の中でも有酸素運動がおすすめで、特にウォーキングは手軽にはじめられる運動です。

太ももやお尻、ふくらはぎには大きな筋肉がついています。ウォーキングで太ももを大きく動かすように、大股、早歩き、よく手を振って姿勢よく歩くと、筋肉を効率よく使い、消費エネルギーも高くなります。

まずは、1回20分以上で週に3回以上を目標にしてみましょう。

 

また、スクワットも大きな筋肉を動かすことができる運動です。特にゆっくりと腰を落として、ゆっくりと立ち上がるスロースクワットが効果的で、朝晩に5回ずつ行いましょう。

トクホを上手に使おう

特定保健用食品(トクホ)は、科学的根拠に基づいた機能を表示した食品です。表示されている効果や安全性については国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可しています。

「食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにする」などの特定の保健の目的が期待できる旨の表示がされています。

 

特にお茶やコーヒーなどのトクホの食品は、食事にも取り入れやすいので、普段の生活習慣を大きく変えることなくできる対策です。

おさらい

中性脂肪は重要なエネルギー源だが、摂り過ぎると体脂肪として蓄えられて肥満を招き、生活習慣病を引き起こす可能性が高まる

食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足が中性脂肪の増加につながる

太ももやお尻、ふくらはぎにある大きな筋肉を動かすウォーキングやスクワットで、脂肪燃焼効果が期待できる


監修

【佐藤 順子 先生】

横浜国立大学教育学部卒業
小学校教諭を経て健康生活新聞編集に携わる
福祉住環境コーディネーター


参考文献

・図解だからわかる 食べて飲んで中性脂肪とコレステロールをへらす本(発行所 株式会社興陽館)

・女性のコレステロール・中性脂肪を改善する本(発行所 株式会社メディアパル)

・e-ヘルスネット(厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト)


カテゴリーに戻る

関連記事