頭痛には大きく2種類がある
■頭痛とは?
日本人のうち約4,000万人以上が何らかの慢性頭痛に悩んでいると推定されています。
頭痛の中でも症状が多いのは「片頭痛」と「緊張型頭痛」です。
片頭痛は血管の異常(血管の収縮・拡張)によって起こる頭痛で、一般的にズキズキと脈打つような痛みがあるのが特徴です。
ホルモンやストレス、睡眠習慣の変化、天候、食べ物、飲酒、光の刺激などが誘因とされています。
こうした引き金が三叉神経に過剰な刺激をもたらし、脳の血管が拡張されて炎症を起こすため、頭痛を引き起こします。
緊張型頭痛は頭痛の中で最も多くの人が症状として訴える頭痛で、頭全体が重く圧迫されるような痛みがあります。
後頭部や側頭部、首から背中の筋肉の緊張によって血流が悪くなることが原因で起こる頭痛です。肩のこりや首のこり、ストレスが深く関与しているとされています。
日常生活で心がけることやツボ押しで対策を
頭痛の多くは生活習慣が関係しています。
頭痛持ちの人は、どんな時に頭痛が悪化するのか知っておくことが予防にもつながります。
頭痛になりやすい習慣を簡単チェック
当てはまる方は対策法も確認しましょう!
頭痛対策に意識して摂りたい食べ物
片頭痛の場合、空腹で血糖値が下がっていると頭痛が起こりやすいので、朝食は欠かさず摂るように心がけましょう。
また、血管を拡張させる働きのある成分を含む食品は避けるようにしましょう。アルコールの摂取は血管を拡張するため、片頭痛を引き起こしやすくなります。特に赤ワインに含まれるヒスタミンは、頭痛を引き起こしやすい物質といわれています。
他にもチョコレートやチーズなどに含まれるチラミン、ハムやソーセージなどに含まれる亜硝酸ナトリウム、うま味調味料やインスタント食品などに含まれるグルタミン酸ナトリウムなどが頭痛の原因になるとされています。
それに対して頭痛を和らげる栄養素はマグネシウムとビタミンEです。
アーモンドや海藻などに多く含まれるマグネシウムは、カルシウムとともに神経伝達の正常化に働きます。緊張や興奮を緩和させることで、精神を安定させる働きがあります。そして、カルシウムと拮抗して筋肉の収縮をスムーズにしてくれます。
アーモンドや植物油に多く含まれるビタミンEは、強い抗酸化作用により血流を改善する効果があります。
ツボ押しで頭痛改善
頭や顔、肩には頭痛を和らげてくれるツボが集中しています。
頭痛は肩のこりや首のこりと関係しており、こりを改善するだけで頭痛が良くなることがあります。手軽にできるツボ押しは肩のこりや首のこりの改善にも役立つので、頭痛対策におすすめです。
■頷厭(がんえん)
髪の生え際に指をあて、口を開け閉めした時に動くところ。
■百会(ひゃくえ)
両耳を結ぶ線と顔の正中線が交わる頭のてっぺん。
■天柱(てんちゅう)
首の後ろの筋肉の外側にあるくぼみの部分。
■肩井(けんせい)
首の後ろと肩の中間あたり。
病院に相談することも大事です
頭痛は身近な症状のため、軽症であれば我慢したり、市販薬を服用することで対処する人も多いです。
生活に支障がなければ病院を受診しない人も多いですが、頭痛の中には危険な病気(くも膜下出血や脳腫瘍など)の前兆や症状として現れることもあります。
頭痛で悩んでいるのであれば、無理をせずに病院へ相談してみましょう。
おさらい
●片頭痛は血管の異常によって起こる頭痛で、一般的にズキズキと脈打つような痛みがある
●緊張型頭痛は頭痛の中で最も多くの人が症状として訴える頭痛で、頭全体が重く圧迫されるような痛みがある
●頭や顔、肩には頭痛を和らげてくれるツボが集中しているため、頭痛対策にツボ押しは効果的
【佐藤 順子 先生】
横浜国立大学教育学部卒業
小学校教諭を経て健康生活新聞編集に携わる
福祉住環境コーディネーター
・日本初の頭痛専門クリニックが教える 最新頭痛の治し方大全(発行所 株式会社扶桑社)
・クスリの効かない新型頭痛の治し方(発行所 現代書林)