クロムは肝臓、腎臓、血液、脾臓に存在し、インスリンと結びついて血糖値を下げる働きがあります。クロムは糖質の代謝促進により糖尿病を予防し、脂質の代謝促進で中性脂肪やコレステロール値の低下に貢献します。自然界に存在するクロムのほとんどは3価であり、食事から摂取することができます。6価のクロムは毒性があります。幅広い食品に3価のクロムが含まれており、普段の食生活で不足することは少ないです。亜鉛を多く含む食品と一緒に摂るとインスリンの分泌が促されます。



クロムとは?

クロムは肝臓、腎臓、血液、脾臓に存在し、インスリンと結びついて血糖値を下げる役割を果たしています。インスリンは糖質をエネルギーに変える必須ホルモンです。摂取された糖質はブドウ糖に分解して吸収し、膵臓から分泌されたインスリンによって筋肉や肝臓に取り込まれます。クロムはインスリンの働きを助け、糖質の代謝を活発にし、糖尿病を予防します。また、血液中の中性脂肪やコレステロール値を下げ、動脈硬化や高血圧の予防にも貢献します。

私たちと関わりの深いクロムには3価と6価の種類があります。この違いによって身体への作用が異なります。自然界に存在するクロムのほとんどは3価で、食事から摂取することで私たちの身体に必要な栄養素となります。一方、6価のクロムは人工的に生産され、毒性があります。栄養素としてのクロムは3価を指し、穀類、肉類、魚類など様々な食品に含まれていますので、普段の食生活で不足することは少ないです。牡蠣など亜鉛を多く含む食品と一緒に摂ると、インスリンの分泌が促されます。

クロムの効果

インスリンの働きを助ける

インスリンの分泌や作用が増強し、正常な糖質代謝を促し、血糖値を安定させます。高血糖の予防に繋がるため、糖尿病の予防効果が期待できます。

 

コレステロールの代謝を助ける

中性脂肪やコレステロールの量を正常に保ち、脂質の代謝を促す働きがあります。動脈硬化や高血圧の予防に役立ちます。

クロムが摂れる食べ物

がんもどき 8㎍

青のり(素干し) 39㎍

ひじき(乾) 26㎍

パセリ(乾) 38㎍

カレー粉 21㎍

ミルクチョコレート 24㎍

黒砂糖 13㎍

※可食部100gあたり

※日本食品標準成分表2020年版(八訂)より

こんな方におすすめ

血糖値が気になる人

コレステロール値が気になる人

高血圧が気になる人

おさらい

食事から摂取する3価のクロムは栄養素で、人工的に生産された6価は毒性がある

インスリンの分泌が促されて、血糖値を安定させ、高血糖の予防になる

中性脂肪やコレステロールの量を正常に保ち、脂質の代謝を促す働きがある


参考文献

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)

・正しく知れば体が変わる!栄養素の摂り方便利帳(発行所 株式会社PHP研究所)

・NHK出版 健やかな毎日のための栄養大全(発行所 NHK出版)

・食品成分最新ガイド 栄養素の通になる第2版(発行所 女子栄養大学出版部)


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