ふきのとうはフキの花のつぼみで、春の訪れを感じられる山菜です。フキより栄養価が高く、β-カロテンは約8倍、カリウムは約2倍含まれます。独特の苦味はアルカロイド成分によるもので、新陳代謝を促し、食欲増進や消化を助けます。民間療法では胃もたれの改善や咳・痰を鎮める効果があるとされ、β-カロテンをはじめビタミン類やカリウム、鉄、食物繊維も豊富です。旬が短く、えぐみがあるため多くは食べられませんが、貴重な春の味覚です。
ふきのとうとは?
ふきのとうは春先に顔を出すフキの花のつぼみで、その独特の風味を楽しむ山菜です。フキ本体よりも栄養が豊富で、微量しか含まれないβ-カロテンは約8倍、カリウムも約2倍含まれます。
苦味はアルカロイド系成分によるもので、新陳代謝を活発にし、食欲増進や消化を促進します。民間療法では「苦味健胃薬」として胃もたれの改善に用いられ、咳や痰を鎮める効果もあるとされています。
β-カロテン(体内でビタミンAに変換される)をはじめ、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ビタミンE、ビタミンKなどを多く含みます。ミネラルでは高血圧予防に働くカリウムのほか、リン、鉄、そして食物繊維も豊富です。旬が短く、えぐみもあるためたくさん食べるのは難しいですが、口に含むだけで春の訪れを感じられる貴重な山菜です。
■調理との組み合わせ方
苦味を抑え、栄養を効率よく吸収するには油を使う調理が適しています。低温から揚げ始める天ぷらは、徐々に花が開き、苦味がやわらぎます。
また、下茹でして水にさらし、みじん切りにして味噌・みりん・酒と合わせる「ばっけみそ」(東北地方の呼称)は、ご飯のお供にも酒の肴にもぴったりです。味噌には良質なタンパク質や食物繊維が含まれ、栄養面でも優れています。
■選び方
つぼみが開くとえぐみが増すため、固くしまった開ききっていないもの、丸みがあり鮮やかな緑色のものが良品です。
■保存方法
乾燥に弱いので、水で湿らせた新聞紙に包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。1〜2日程度保存できますが、早めに食べましょう。
ふきのとうの効果
■シミを防ぐ
年齢を重ねると、皮膚や血管、臓器に老人斑として知られる老化色素であるリポフスチンが増加する傾向があります。しかし、ふきのとうに含まれるビタミンEの摂取により、皮膚にリポフスチンが蓄積されず、シミの形成を防ぐことができます。
■高血圧を予防する効果
ナトリウムは体にとって必要なミネラルですが、摂り過ぎると高血圧の原因になります。
ふきのとうに含まれるカリウムは、過剰なナトリウムを尿として排出する働きを促すため、高血圧の予防に効果があります。
■腸内環境を整える効果
ふきのとうに含まれる食物繊維は、腸内に溜まった老廃物や有害物質を吸着し、体外へ排出する働きがあります。また、腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌を増やす働きもあるため、腸内細菌のバランスが良くなり、腸内環境の改善に役立ちます。
腸内環境が整うことで、便秘の予防や改善にも効果が期待できます。
こんな方におすすめ
●美肌になりたい人
●高血圧が気になる人
●腸内環境を整えたい人
おさらい
●ふきのとうはフキの花のつぼみで、春の訪れを感じられる山菜
●フキより栄養価が高く、β-カロテンは約8倍、カリウムは約2倍
●旬が短く、えぐみがあるため多くは食べられないが、貴重な春の味覚

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
・春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)

















