チコリーはフランス料理で「アンディーブ」とも呼ばれる野菜で、白菜の芯に似た形とほろ苦さが特徴です。ビタミンやミネラルは少なめですが、チコリ酸と呼ばれる苦味成分を多く含みます。チコリ酸はポリフェノールと酒石酸の結合体で、強い抗酸化作用により活性酸素を抑え、肝機能を高める効果があるとされます。特に根に多く含まれ、ドイツでは糖尿病に効く薬効飲料「チコリコーヒー」として利用されています。さらに香気や苦味成分が胃液分泌を促し、消化を助けて胃もたれや胸やけを防ぎます。
チコリーとは?
チコリーはフランス料理でおなじみで、「アンディーブ」の名でも知られています。白菜の芯を小さくしたような形と色合いをしており、葉にはわずかなほろ苦さがあります。軟白栽培の野菜に共通する特徴として、ビタミンやミネラルは少なめですが、俗にチコリ酸と呼ばれる苦味成分に多くの効果があるとされています。
チコリ酸はポリフェノールと酒石酸が結合したもので、ポリフェノール特有の強い抗酸化作用により、活性酸素を抑え、肝機能を高める働きがあると言われています。特に根の部分に多く含まれ、ドイツでは根を乾燥・焙煎・粉砕したものが、糖尿病に効く薬効飲料として「チコリコーヒー」の名で販売されるほどです。
また、チコリー特有の香気成分や苦味成分は胃液の分泌を促し、消化を助けることで胃もたれや胸やけを防いでくれます。
■調理との組み合わせ方
チコリーのほろ苦さは脂っこい肉料理と相性抜群です。特有の歯ごたえと淡白な味わいが肉料理を引き立てるため、葉にハムなどのタンパク質食材をのせて食べるのもおすすめです。鉄分が豊富なあさりやはまぐり、ほうれん草などと組み合わせて、やさしい味わいのコンソメスープに仕立てれば、貧血予防にも効果が期待できます。なお、黒ずみを防ぐには、下茹で時にレモン汁を加えると良いでしょう。
■選び方
葉の巻きがしっかりとしていて、表面につやがあり、みずみずしいものを選びましょう。緑色がかっていないものが良品です。
■保存方法
乾燥と冷気に弱いため、購入したらなるべくその日のうちに食べきるのがおすすめです。保存する場合は、ラップでしっかり包み、冷蔵庫の野菜室に入れてください。
チコリーの効果
■高血圧を予防する効果
ナトリウムは体にとって必要なミネラルですが、摂り過ぎると高血圧の原因になります。
チコリーに含まれるカリウムは、過剰なナトリウムを尿として排出する働きを促すため、高血圧の予防に効果があります。
■骨の形成を助ける
チコリーに含まれるビタミンKには、腸から吸収されたカルシウムを骨に取り込む働きがあります。成長期の骨の形成だけではなく、骨粗しょう症の予防にもなります。
■腸内環境を整える効果
チコリーに含まれる食物繊維は、腸内に溜まった老廃物や有害物質を吸着し、体外へ排出する働きがあります。また、腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌を増やす働きもあるため、腸内細菌のバランスが良くなり、腸内環境の改善に役立ちます。
腸内環境が整うことで、便秘の予防や改善にも効果が期待できます。
こんな方におすすめ
●高血圧が気になる人
●骨粗しょう症が気になる人
●便秘で悩んでいる人
おさらい
●チコリーはフランス料理で「アンディーブ」とも呼ばれる野菜で、白菜の芯に似た形とほろ苦さが特徴
●ビタミンやミネラルは少なめだが、チコリ酸と呼ばれる苦味成分を多く含む
●特に根に多く含まれ、ドイツでは糖尿病に効く薬効飲料「チコリコーヒー」として利用される
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
・春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)