えびいもとは、特殊な栽培方法で湾曲した形に育てられた「唐のいも」の一種で、京都では名物料理の「いもぼう」として知られています。長崎から持ち込まれた種芋が祇園で栽培したところ、大型で高品質な芋が出来上がり、それが横縞のある海老に似た形状だったことから、「えびいも」という名前がつきました。現在では、小ぶりのものばかりを袋詰めにし「こえびちゃん」の名称で一般家庭に流通しています。えびいもは湾曲した形状と緻密でねっとりした食感、豊かな旨みで知られ、煮物に最適です。栄養価も高く、食物繊維やビタミンB1、ビタミンC、ビタミンEなどが含まれています。
えびいもとは?
えびいもとは、「唐のいも」と呼ばれるさといもの一種を、特殊な栽培方法で湾曲した形に育てたものを指します。京都では、棒だらと一緒に炊き合わせた名物料理の「いもぼう」としてよく知られています。
安永年間(1772〜1781)に、長崎から種芋が持ち込まれ、祇園で栽培が行われました。その結果、大型で高品質な芋が収穫され、その形状が横縞のある海老に似ていたことから、「えびいも」という名前が付けられました。最近では、30〜70g程度の小ぶりなものを袋詰めにした「こえびちゃん」として一般家庭にも販売されています。
えびいもは海老のように湾曲したユニークな形状と、緻密でねっとりした食感、豊かな旨みで知られる京野菜です。内部までしっかりと味が染み込み、長時間煮ても形を保ちながら柔らかくなるため、煮物に最適な食材と言えます。
また、主成分であるでんぷん質の腸内吸収率が高く、栄養価も豊富です。食物繊維やビタミンB1、ビタミンC、ビタミンEなどが、一般的なさといもよりも多く含まれています。
■えびいもの選び方
泥がついていて、割れていないもの。形がいびつでないもの。
■調理方法
えびいもは、皮の内側に繊維が多いため、皮は厚めに剥くようにします。保存の際は、低温や乾燥によって鮮度が落ちるため、できるだけ土がついたまま冷暗所に置く。
■えびいもと棒だらの炊き合わせ
形よく皮を剥いて茹で、水で戻した棒だらと一緒に出汁と調味料で煮含める。
■えびいもの揚げ煮
出汁と調味料で煮た芋を小麦粉をまぶして油で揚げ、天つゆの出汁をかける。
■えびいものお雑煮
煮立てた出汁に、茹でた芋、金時にんじん、かぶ、餅を入れ、白味噌で味付け。
■えびいものあんかけ
茹でた芋を出汁と調味料で煮て器に盛り、鶏のひき肉を入れたそぼろあんをかける。
えびいもの効果
■免疫力を高める
えびいもに含まれるタンパク質は、体を構成する細胞になるほか、体を細菌やウイルスなどから守る免疫細胞のもとにもなります。免疫細胞が活性化されると、免疫力を高めることにつながります。
■疲労の回復に
えびいもに含まれるビタミンB1は、エネルギーに変換する際に、酵素の働きを助けます。
■抗酸化作用
えびいもに含まれるビタミンCは、抗酸化作用が強く体内の酸化を抑制する働きがあります。
こんな方におすすめ
●免疫力を高めたい人
●疲労を感じている人
●老化が気になる人
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
・まるごと京野菜 からだがよろこぶ京都ブランド(発行所 株式会社 青幻舎)